書道教室の指導者と深い関係に…

もともと書道が好きだったE美さんは、「日々生じる介護のストレスや夫への不満のはけ口としても、当時の私には書道教室に通う時間は必要不可欠だった」と話す。

ところが、E美さんが書道教室に通う理由はそれだけではなかった。「じつは書道教室に通ううちに、指導者のひとりと深い関係になってしまったんです」。

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現実の生活から逃げるつもりではじまったE美さんの不倫だったが、10年近く関係が続いている今、夫の元に戻る気持ちは残っていないとのこと。「半年前に義父が亡くなりました。介護を続けてきた私に対し、夫からは感謝やねぎらいの言葉もありませんでした。話すべきこともなく、思いやりすらなくなった夫に、なぜこの先も添い遂げていく必要があるのでしょうか」。

E美さんは、現段階では不倫相手と再婚するかどうかはまだ決めていないという。「ですが、彼がそばにいてくれることで『熟年離婚しても心細くはない』という離婚後の生活への自信につながったことはたしかです」。

20年前にクラブで出会った女性と連絡を取り続け…

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「これが最後の恋だと確信しています。だからこそ大事にしたいんです」と熱く語るN郎さん(65歳)は、過去に離婚経験があり今の妻とは30代後半で再婚、夫婦に子供はいない。

再婚後の夫婦仲は「微妙だった」というN郎さん。「あの時は妻からの猛アプローチに折れる形で結婚に踏み切ったものの、いざ2人で暮らしてみると価値観が違いすぎてギクシャクする場面が多かった。とはいえ、どこの夫婦もそんなものだろうと思い、夫婦関係の改善には諦めかけていたところもあったんです」。

そんなN郎さんには現在、不倫関係が5年続いているH乃さん(40歳)がいる。20年前、自営業のN郎さんが取引先からの接待で連れていってもらったクラブにいて接客を担当したのが、当時まだ女子大生だったH乃さんだった。「彼女とは連絡先を交換したものの、何度かお店に足を運んだくらいで男女の関係ではなかった。その後、メールで定期的にやりとりをしていて、『久しぶりに食事でもしないか』と誘って再会したのが5年前。35歳になったH乃は幼い子供と2人で暮らすシングルマザーになっていました」。