IT後進国から脱する成長機会でもある
なお、生成型AIに関して、“ディープフェイク”、偽情報の拡散による社会心理の不安定化、著作権侵害など懸念は多い。その反面、AIは生産性向上など、わたしたちにプラスの価値ももたらす。
4月に全米経済研究所(NBER)の研究者は、業務における生成型AIの利用可能性に関する論文を発表した。ソフトウエア企業の顧客サービスに生成型AIを用いた結果、短期間で初心者でも顧客の問題を解決する説明が可能になった。生産性は向上した。
わが国にはエヌビディアに匹敵する半導体企業はない。わが国全体が生成型AIの利用に対応して経済成長を目指すために、AIを搭載し、安心、安全に利用できるデバイス創出は急務といえる。
そうした取り組みを進める企業の増加は、わが国がIT後進国から脱却できるか否かに大きく影響するだろう。世界経済の先行きは楽観できないが、わが国の企業は潜在的な成長機会を確実に収益につなげなければならない。