日本円・日本株

円安は続くし日銀の買い入れも続く

日本では、10年ぶりに日本銀行の総裁が交代しました。新しく就任したのは、植田和男総裁です。日本銀行のトップが代わっても、現在の金融緩和は継続されると思います。

私は長い間、金融業界にいますが、日本の通貨が1ドル=300円を超えていた時代のことを覚えています。それから、日本は膨大な量のお金を印刷し、莫大な借金を抱えるようになりました。為替レートは、お金を印刷する量に委ねられています。

1998年に日本円が暴落したときのこともよく覚えています。当時はスイス・フランを除けば、日本円より高い通貨はありませんでした。今となっては、以前のような状態にはありません。22年、円は米ドルに対して150円を記録しました。残念ながら、円安は今後も続くでしょう。一方で米ドルも、他の通貨に対して大幅に下がるでしょう。今は経済環境が良くないため、日本円や米ドルに投資するには、適した時期ではありません。

経済が深刻に悪くなるまで、日本銀行はたくさんのお金を刷り続けるのではないでしょうか。そして、通貨が本当に崩壊したとき、日本で何かが変わるかもしれません。しかし、そうなれば、日本だけでなく、世界的に非常に悪い時代になります。

米ドルにも問題があるため、私は、米ドルの対抗馬になるものを探しています。しかし、まだ見つかっていません。なぜなら、米ドルに対してより競争力を持つものが現れるだろうと考えているからです。

100年以上続いている国際通貨はありません。すべての通貨は、何かしらに置き換えられています。だからと言って、ビットコインなどの仮想通貨が良い投資先だとは思いません。ビットコインが好きな人はいいですが、ビットコインが国際的にメジャーな通貨になるとは思えないからです。中国の通貨である人民元についても、国際的な取引ができるようになるまでには、まだ長い道のりがあると思います。

日本の観光業は、コロナ禍の最中よりも、ずっと良い未来が待っています。通貨が弱くなれば、日本の物価が安くなり、競争力が増すと期待されています。多くの人が観光のため、日本を訪れるようになるでしょう。

窓の外を眺めてみてください。日本の観光業は良くなり続けるでしょう。観光業が発展し、素晴らしい国の一端を担うことができるのですから、大丈夫だと思います。旅行ツアー以外にも、日本には素晴らしいものがたくさんあり、訪れるべき場所として推進されています。

しかし、日本の個別株を買おうとは思いません。なぜなら、日本銀行が中心となり、大きな資金がインデックスに連動したETFに集まっているからです。この状況が続く限り、日本への投資はインデックス投資とすることを継続したいです。

(構成=花輪陽子、アレックス・南レッドヘッド 写真=Luxpho Pte Ltd(原 隆夫))
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