このバブルは1、2カ月で弾けるものではなく、もっと長い間続くと思われます。バブルの崩壊はもっと先の話です。そうなれば、より多くの倒産を引き起こし、崩壊が進むでしょう。

私は日本の不動産バブルを覚えているくらいの年齢ですが、現在の中国の状況は当時の日本を超えています。バブル崩壊後しばらくは、代償を払うことになるでしょう。

金・銀

最高値更新の金より割安の銀を注視せよ

金や銀の価格が高騰しています。ウクライナ危機やSVBの破綻が影響して、金融不安が広がっています。社会的な不安が広がれば、資産として信用の高い金や銀が買われることになります。

特に、安全資産として代表的な「金」が多く買われているため、価格が高騰しているのです。23年4月には、金の価格が1オンスあたり2000ドル超にまで上昇し、過去最高値の水準です。

銀価格への上昇圧力も高まっていると言えるでしょう。エネルギー価格が高騰しているため、銀の需給もひっ迫しているからです。銀は、工業用途や投資向けに需要が高まっています。

また、利上げがいったん落ち着く見通しであるため、ドルの価値が上がりにくくなっていることも、金や銀の価格が上がっている背景となっています。通常であれば、米国の経済が強ければドル建ての需要もそのぶん増します。しかし、今はドルが相対的に弱くなっていると言えるでしょう。

もし私が買うとしたら、金よりも銀を買うでしょう。歴史的に見ると、銀のほうが安くなっているからです、銀は史上最高値から50%以上下落しています。対して、金は最高値を更新しそうな状況にありますから割高です。

しかし、私はまだどちらも買っていません。なぜなら、本格的な弱気相場が到来したら、銀や金ですら売られることになるからです。人々は現金が必要になるため、金や銀を売らなければなりません。そのような状況になったら、もっと銀を買うか、あるいは金と銀の両方を買おうと考えています。

また、金が米ドルの代替資産になると考える人がいるようです。金の価格は、米ドルが値上がりすれば値下がりし、値下がりすると値上がりする傾向があります。すなわち、金は米ドルに対して逆相関の値動きをしているとされています。歴史的に米ドルが弱くなったとき、金や銀に流れる人がよくいました。同じことはまた起こるでしょう。ただ、金と銀が米ドルに取って代わるとは思えません。金や銀は通貨として、様々な問題があったからです。

しかし、物事がうまくいかなくなったとき、クローゼットの中に金や銀を入れておくのは良いことでしょう。ベッドの下に銀をいくつか持っている人もいることでしょう。私もベッドの下に、銀を置いておきたいと思います。

NY金先物価格の推移(2010年以降)