24年以降はインフレ率がまた上昇し、弱気相場が来ると予想されています。ですから、FRBが再びインフレに関心を示すのは、24年になると思います。人々は再び心配になり、金利はさらに上がるでしょう。そのときに、本当の弱気相場がやってくるはずです。
インフレが再び戻ると、もっと多くの企業が倒産すると思います。そのとき、日本もきっと痛い目に遭いますよ。
今回はSVBやクレディ・スイスが打撃を受けましたが、次の倒産に関してはみんな怖がっています。ドイツ銀行も株価が急落しましたね。新聞やテレビに目を通せば、怖いと思うのは当然です。
しかし、財務長官は心配する必要はないと言っているのです。みんなしばらくはそれを信じて、事態は好転していくように思われるでしょう。しかし、そのうちに、次の大きな危機がやってくるのです。
中国経済のバブル
中国のワイン会社に私が投資をする理由
中国は新型コロナウイルスのパンデミックから立ち直り、人々は旅行を始めています。今後数年間は、中国経済は非常に好調となるでしょう。しかしそれは、封鎖していた大きな経済圏を開放したからです。今の経済が良いのは、これまでが酷い状況だったからでしょう。もちろん今が良いからと言って、これから起こりうることも同じだとは限りません。
楽観的な状況はしばらく続くでしょうが、アメリカや欧州、日本、そして他の国々の景気が減速し始めると、中国は大きな打撃を受けることになるでしょう。中国は世界でも有数の貿易国です。貿易国である以上、顧客となる国の経済が減速すれば、中国の経済も減速します。
私は中国のワイン会社に投資をしていて、今でも保有しています。その理由は、中国にいるほとんどの人が、ブドウ酒が何なのかをまだよく知らないからです。
私が若いころは、ワインを飲むアメリカ人はほとんどいなかったのを覚えていますが、今ではアメリカ人の多くがワインに詳しくなっています。中国でも同じようにワインが広まるだろうと思っています。
さて、中国の不動産は、国内総生産(GDP)の大部分を占めています。不動産市場の低迷は、中国経済に打撃を与えました。不動産開発大手の恒大集団は、巨額の負債を抱えたために債務不履行に陥り、今もこの問題は続いています。
中国の不動産バブルは、終焉を迎えています。とてつもなく大きなバブルでしたから、すぐに弾けるとは思っていません。中国政府は不動産バブルに対して、何かしらの対策をすると述べるにとどまっていました。
為替市場においては、通貨・人民元の取引が規制されていたため、中国人はかつて、投資できる選択肢をあまり持っていませんでした。そのため、皆急いで不動産に投資し始めたのです。国家全体がこれほど巨大なバブルに見舞われたのは、史上初めてのことでしょう。
不動産バブルは必ず弾けます。しかし今の段階では、多少の亀裂があっても、崩壊の兆しはまだ見えてはいません。