「TikTok売れ」はこのような炎上事件とは反対に、心温まるバズを生んでいる。懸命に店を開け続けるヌードル店や、長年書斎で人知れず文字を紡ぐ売れない作家にスポットライトを当て、努力が報われる瞬間をもたらした。

当然、内容が伴わなければ、あっという間にユーザーに見放されてしまう。しかし、ベトナム料理店をもてなすリーさんやアマゾン1位に輝いたロイドさんは、長年取り組みを続けてきた実績に裏打ちされている。今後も人々の支持を得続けることだろう。

写真=iStock.com/Tonktiti
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拡散される「幸せ」もあることを忘れてはいけない

いまやどの業界を見ても、商品やサービスそのものの質は飽和状態にある。人々が無数にある商品のうちどれに惹かれるかは、商品の向こう側にストーリー性が感じられるか否かにかかってきているとも見ることができる。

それを証明するかのように、最善の努力を重ねてなお報われない人々の生き様を紹介するTikTok動画は、ユーザーの心に響いて余りある人気コンテンツとなっている。

単に商品にお金を払うという取引を超え、動画で見たこの人の毎日を少し明るくできるのだという購入体験が、現代の消費者たちの心を動かしているようだ。

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