やる気があり前向きなので、やたら名刺を積極的に配り、自己アピールする人物が多いのも特徴です。ですが、一緒に仕事をするとどこかツボを外していたり、トンチンカンなことをやったりして、被害を被るということは往々にしてあります。

やる気があり前向きな人物が第一象限と第四象限のどちらに該当するのか、しっかりと見極めなければなりません。できればその人物をよく知っている周囲の人の評価を聞くことです。

あるいはしっかり時間を使って、その人物の行動を観察し、仕事の成果を見極めることです。いずれにしても第四象限の人物とは、距離を極力置くこと。

このマトリックスは人脈づくりだけでなく、社内の上司や部下の人物判定にも大いに役立ちますから、ぜひ活用してみてください。

相手を見極めるために「小さな約束をする」

相手が信用できるかどうか見極めるにはどうすればよいか? それはわりと簡単です。ちょっとした約束をして、それをしっかりと相手が守れるかどうかを確かめるのです。

例えば待ち合わせの時間にちゃんと遅れずに来るか? いつまでに連絡を取り合うという約束を守るかどうか。

ちょっとした約束事を守れない人物は、大きな約束も守れません。つまり信用できない人物ということになります。

ただし、詐欺師はこの理屈を逆手に取るため、気を付けなければいけません。彼らは最初に一万円や二万円といったちょっとした借金をします。そしていつまでに返すという約束をきっちりと守るのです。しかも利子をしっかりつけて返してきます。

それを繰り返して自分を信用してくれたと確信した段階で、一〇〇万円や三〇〇万円など大きな借金を申し込んできます。

「これまでも必ず期日までにしっかりと利子を付けて返してくれた、しかも今度は額が大きいから利子でかなり儲かるぞ」という欲がこちらも出てきます。欲が出ることで、冷静な判断ができなくなるわけです。

それで貸すと、今度は約束の日を過ぎても返済がありません。連絡しても通じません。そこで初めて「やられた!」となるわけです。

詐欺のケースは話が別になるのでこれ以上触れませんが、少なくとも、小さな約束を破る相手は、信用できる人物ではないことはたしかなことです。

相手をコントロールすることに長けた人物も要注意

ギブ&テイクができない人物も要注意です。見極めるには一緒に飲食をして何度かこちらが奢ります。その際、一向に相手が奢り返してきたり、何らかのお返しの一つもしない人物だったときは気を付けるべきでしょう。

自己中心的で幼児性が強く、全ては自分のために世の中が回っていると考えるタイプかもしれません。

つまり、「同心円状のアイデンティティ」の持ち主で、自分にとってよいことが会社や社会、そして世界にとってよいことなのだと考えているのです。しかもそういう人物ほど肩書や地位を持っていたりすることがあります。

こういう人物はとにかくテイク&テイクで自分の利益になることだけを考えています。周囲の人間は自分が得をするための道具でしかありません。相手を都合のいいようにコントロールすることに長けていて、気が付くと相手のペースにはまってしまいます。

このような人物は虚言癖を持っていることも多く、話に一貫性がないのも特徴です。少し経って同じ質問をすると、言っていることが前と今とで微妙に違っています。そういう人物は気を付けなければなりません。

限りなくサイコパス的な性質で、騙されたあげく、徹底的に利用されておしまい、ということになる可能性があります。

彼らは仕事ができるように自分をアピールするのが上手で、実に弁舌爽やかで魅力的に見えることがあります。

ですが、時間をかけて注意深く話を聞いていると、どこかに矛盾点が出てきます。どこか怪しいと感じたら、可能であれば相手の周囲の人物に聞いてみましょう。すると話が真っ赤な嘘であったり、意外な素顔を持っていることが分かったりします。

異業種交流会や派手なパーティーなどに行くと、こういう人物が時折出没しては獲物を探していることがあるので要注意です。このような場所で弁が立ち、何かと目立つ人物は少し警戒する必要があります。不用意に近づかないことです。