なぜ、ステゴサウルスが骨髄炎になっていたのでしょうか? その理由までは、よくわかっていません。ただし、骨髄炎は、傷口から細菌などが体内に入ることで発症します。

肉食恐竜に襲われたときの傷か、自分でつけてしまった傷か。尾のトゲが折れて、その傷が原因になった個体もいたようです。いずれにしろ、医学のない世界では、ちょっとの傷が命とりになったのかもしれません。

大きな翼で地上を歩いていた? ケツァルコアトルス

1億5000万年以上の長きにわたって繁栄した翼竜類。進化した翼竜類には、かなり大きな体をもつものもいました。たとえば、「ケツァルコアトルス」です。この翼竜類はランフォリンクスなどと違って、頭部が大きく、首が長く、尾が短いという特徴がありました。口には歯がありません。

そんなケツァルコアトルスの大きさは、翼を広げたときの幅が、なんと10メートルを超えました。現代の小型飛行機並みの大きさでした。この大きさは、空を飛ぶことができる脊椎動物の中で、「史上最大級」と言われています。

イラストレーション=ACTOW(徳川 広和・山本 彩乃)
翼を広げた時の幅が10メートルを超える史上最大級の翼竜類、ケツァルコアトルス(土屋健『ほんとうは“よわい恐竜”じてん それでも、けんめいに生きた古生物』より)

まさしく、空の覇者! 想像してみてください。小型飛行機並みの翼竜類が、空から襲いかかってくる場面を。かなり怖いはず。

しかし……実は、ケツァルコアトルスは大きすぎて、空を飛ぶことができなかったのではないか、とも考えられています。

飛べないのなら、少なくとも空から襲われる心配はなさそうです。でも、地上を歩いていたからといって「怖くない」というわけではないでしょう。

長い首と大きな頭を持つケツァルコアトルスの身長は、ちょっとした肉食恐竜よりも高いのです。うっかりしていると、その鋭いクチバシで襲われてしまうでしょう。史上最大級の翼竜類は空を飛べなかったかもしれない。でも、やはり恐ろしい存在だったのかもしれないのです。