若手だけのプロジェクトを発動

――社長就任時、若い人でもモノがいえる闊達な社風をさらに広げていきたいとおっしゃっていました。その点は1年経っていかがですか。

筒井　社長就任後、現場に出向くことはもちろん、社内の諸会議にも多数参加してコミュニケーションを増やす努力をしてきましたが、量質ともにまだ足りないと思っています。そこは引き続き私の課題です。

ただ、会社としての取り組みという点でいうと、若手の活用は着実に進んでいます。新統合戦略を4月から始めるにあたり、「日本生命はこう変わったよ」ということを社内外にプロモーションして浸透させていくプロジェクトチームを立ち上げたのはその一例です。このチームのメンバー16人のうち、14人は入社10年以内。年次が一番上でも13年目という若手だけのチームです。

このチームでは、テレビCMや雑誌、WEBでの展開、SNSを活用したプロモーションなど、新しい視点をもって考えてくれています。先日、このプロジェクトの検討報告を役員会で行いましたが、私を含め役員から見ると、ここはこうしたらどうかという部分がいろいろと見つかるわけです。しかしここは若い力に任せ、我々は意見を言わずに責任だけ取ろうということに決めました。

若年層への訴え方は、若い人に任せたほうが効果的だろうという判断もありました。そして、このプロジェクトを通じて、若手が仕事や会社に対するコミットメントを肌で感じてくれればと思っています。彼らのなかに「自分たちがこの会社を支えている」という気持ちが根づいたら、プロジェクトは成功したといえるのかもしれません。

※すべて雑誌掲載当時

（村上 敬＝インタビュー・構成　澁谷高晴＝撮影）