――新たな端末の導入によって職員の働き方が変わるのでしょうか。
今回、導入される新携帯端末は、パソコン型だが、液晶部分が回転するようになっており、顧客のほうに向けて説明などがしやすくなっている。たたむとタブレット型になる。

筒井 新しい携帯端末は本部の顧客データベースとつながっています。お客様と一緒に画面を見ながら、ペーパーレスかつ印鑑レスで各種手続きが完結できるようになります。

これによってお客様の利便性が高まると同時に、営業職員の負荷が軽減されます。これまでは、会社に戻って書類を確認したら記入漏れがあり、またお客様のところに足を運ぶ、といったことがよくありました。こうした部分が効率化されると、他の活動に時間を振り分けられるようになります。そうなればお客様とのコンタクトの量も増えていくはずです。

また、新しい端末では、その場でお客様の情報を入力すると、必要な保障額などのシミュレーションが作成できます。それを画面でお客様と一緒に見ながら商品のご提案ができるようになります。このように営業職員の活動をさまざまな形でバックアップしていくことになります。

革新された機械やインフラを私たちがどう使いこなして、その効果を最大限に発揮することができるのか、そのためには働くサイドの私たちの活動の革新が不可欠であり、それを促すことが今回のプロジェクトの本質だと考えています。

――お客様のサポートにおいても大きな効果が期待できるのでしょうか。

筒井 先ほどのようにインフラを使いこなすことによって、お客様の利便性が飛躍的に向上します。同時に営業職員の活動量や提案量、さらにお客様数を増やしていくことも可能になります。また、事務職員の働き方も変わります。これまでは書類の処理が中心でしたが、システムの刷新で書類による事務が大幅に効率化されますから、よりフロントラインでお客様に直接かかわっていくこともできるようになるはずです。例えば営業職員がお客様に商品を提案した後、クロージングの場面では事務知識の豊富な事務職員が伺って、ご契約の内容を再確認することができれば、信頼感も高まります。

また、従来通りフェース・トゥ・フェースをベースとしながら、最新のSNSなども利用してチャネルを多様化していきます。そしてお客様を一生涯サポートするお手伝いをする。インフラの変革をこうした営業や事務の改革につなげていくことこそが今回の狙いなのです。