今後、大規模なリストラも考えられる

SBGはこれまで以上に出資先企業の長期の成長力を見極めて、ビジョンファンド全体で価値の下落リスクを削減しなければならない。必要に応じて資産売却を積み増し、借り入れへの依存度を低下させることも必要になるだろう。それは、アリババ株に頼ってきた資金調達体制からの脱却につながる。

それに加えてSBGは英半導体設計会社であるアームのIPOを可能な限り高い値段で実現しなければならない。足許、グーグル、マイクロソフト、アマゾンなどがサブスクリプションからクラウドへ、ビジネスモデルの軸をシフトし始めた。そうした取り組みにアームの半導体設計技術は不可欠だ。

ただし、世界経済の後退懸念の高まりによって、各国で企業の設備投資は徐々に絞られる可能性が高まっている。世界のスマートフォン需要も減少している。アームの成長ペースは鈍化するだろう。このように考えると、成長期待の高い高ベータ株に投資して成長を目指すSBGはより強い逆風に直面する恐れが高まっている。状況によってSBGが大規模なリストラや、ビジョンファンドの銘柄入れ替えを余儀なくされる展開は排除できない。

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