「自分は自分、他人は他人」と割り切る

では、私たちはどうすればいいのでしょうか。私がオススメしたいのは、競争や争いの世界から、いったん、降りてみることです。

もしあなたが今、この競争社会に疲れているのであれば、仕事をしばらく休んでみることも1つの手段でしょう。私も実際に、競争社会に疲れ、病状が悪化し、何度も仕事を辞めたり、長期間休んでいた時があります。そして、私はそれを機会に、周りと競わなくて済むような、自分らしい生き方を模索し始めました。

写真=iStock.com/hachiware
※写真はイメージです

しばらく考えた末に、「自分は自分、他人は他人」「自分のために好きなことを仕事にして、健康的に、自由に、生活費よりちょっとプラスしたぶんのお金さえ稼げればよしとしよう」という、自分なりの幸せ基準をつくることにしました。そして、誰かより売れなくても、誰かより収入や資産が低くても、誰かに負けても、自分が生きたいように生きていればそれでいいと、割り切るようにしたのです。

ぜひあなたも、自分の意志で、自分を幸せにする基準を決めてみてください。例えば、働く時間や休暇の日数、仕事の内容、必要十分な収入、働き方など、自分らしい自由な生活を考えてみましょう。新たに自分の中で新しい生き方を再構築してから、再スタートするのです。

すべての判断基準は「自分にとって幸せかどうか」

この大量消費社会の中で、自由な時間をたくさん持っていたり、家族との時間を大事にしていたりしても、賞賛されることはほとんどありません。「社会からドロップアウトした」「ただの負け惜しみ」なんて思われる可能性だってあります。でもこれは、多くの人が競争社会で生きている以上、仕方がないことです。そのことは、理解しておく必要があります。

もし、あなたがこの競争社会から一度抜け出したいのであれば、他人の生き方や幸せは関係なく、「自分にとっての幸せ」を判断基準にしてください。友人や家族との時間を大切にしたり、あるいは趣味や関心事に時間を使ったり、そんなふうに喜びや幸せをもたらしてくれる活動を増やすのです。

競争したくなったら、よきライバルと競い合っても構いません。また疲れてしまったら、休めばいいのです。でも、あなたにとっての幸せだけは、見失わないように気をつけてください。私も根っからの負けず嫌いだったこともあり、無意味に競い合って、勝手に疲れ果て、自分の幸せを見失ってしまうことがありました。

比べるのは、周りではなく過去の自分。自分の幸せを、忘れてはいけません。