職業で掛金の限度額が変わる
掛金の限度額は、職業によってちがいます。
基本的には、企業年金がない企業に勤める人や自営業者などが加入する制度。
企業年金には、会社が従業員にお金を渡して将来のために年金を運用させる「確定拠出年金」と、会社が運用を約束したものを将来従業員に渡してくれる「確定給付年金」(将来、決まった金額がもらえる)があります。
2022年10月からは、これらの年金とも併用可能になります。
ただし、会社の確定拠出年金の掛金の上限は、「iDeCo」と合わせて5万5000円まで。確定給付型の企業年金の掛金の上限は、「iDeCo」と合わせて月2万7500円までとなっています。
利息・運用益が非課税だが、60歳まで引き出せない
「iDeCo」には、主に次の3つのメリットがあります。
メリット① 掛金が、全額所得控除になる
メリット② 利息・運用益が非課税になる
メリット③ 受け取り時も、一定額まで税金の優遇がある
この3つのメリットがあるので、「iDeCo」は老後資金の運用に有利だといわれていますし、金融機関も積極的に「iDeCo」を勧めています。
ただ、メリットばかりという金融商品は少ない。
じつは、「iDeCo」には、しっかりと押さえておかなくてはならない大きなデメリットがあります。
「iDeCo」には、主に次の2つのデメリットがあります。
デメリット① 60歳になるまで、引き出せない
デメリット② 投資商品なので、目減りする可能性がある
「60歳になるまで、引き出せない」は、なぜデメリットなのでしょうか。
「iDeCo」は、自分で積み立てた自分のお金を、将来自分でもらうので、貯金のような感覚で始める方が多くいらっしゃるようです。
けれど、貯金ならいつでも引き出して使うことができますが、「iDeCo」は、たとえ積み立てているものが預貯金であっても、60歳までは引き出せないのです。
長い人生には、何が起きるかわかりません。
コロナ禍の中で、お金がなくて店を畳まなくてはならなくなる人や、従業員を泣く泣くクビにするという経営者も出てきています。そんな時、「あの『iDeCo』にあるお金が引き出せたら……」と思っても、あとの祭り。
これからは、何が起きるかわからない時代。だからこそ、困ったらすぐに使えるお金を持っているということは大切でしょう。
もちろん、儲かって節税しなくてはいけないなら、「iDeCo」もいいですが、60歳までずっと儲かり続けているかどうかはわかりません。