慣れるべき「オンラインミーティングの作法」

■期初
・マネジャーとメンバーで、オンラインでのグループミーティングの目的や位置づけをすり合わせる

■ミーティング前
・グル―プミーティングの場で相談したい、シェアしたいことがある人は、会議ツールに所要時間と内容、関連資料などの情報を添付
・参加者は、最近の仕事やプライベートの近況などを、会議ツールに書き込む(ただし、プライベートのことを書きこむことを強制しない)

■ミーティング中
・入室したらチャットでお知らせ
・チャットを活用したミーティングに慣れていない場合は、全員に答えやすい質問を投げかけ、1人ひとつはチャットを入れてもらう(本日の朝食は? 最近はまっていることは? など)
・開始時間になったら事前に入力してある議題と所要時間で進める
・発表者以外は、チャットに、【感想】【質問】【参考情報】などのタイトルをつけて都度入力していく
・発表者は、すでに書き込まれているチャットを確認したり、質問を受ける
・参加者は、ゆっくりと大きな動きで、話を聴いていることや反応を身体で表現する(カメラオフの場合は、適宜声で相槌を打つ)
・ミーティングのどこかで、近況など各メンバーがシェアしたいことが話せる時間を設ける
・議事が必要な場合は、その場で画面共有しながらメモしていく(ミーティング後に余計な作業を残さない)

■ミーティング後
予定時間より短くても、アジェンダが終わったら終わる(予定時間より短く終わったときに、個別でマネジャーに相談がある人に残ってもらうのもあり)

なお、オンラインミーティングは手軽に開催できるからといって、参加者が黙っているだけの報告型のミーティングはその存在意義が問われます。それはメンバー全員の時間を同時に使ってシェアすべき情報かどうかを改めて考え、読めばわかるようなものは、期限を決めて自由な時間にメンバーが見られるようにするのも一考です。

お悩み②リモートワークが権利化しているメンバー

マネジャーXさん「今後の組織についてみんなで話し合うワークショップを実施したいと考えています。期初に異動してきたメンバーも迎えるので、お互いの人となりを知る目的もあり、対面で実施したいのですが、メンバーのIさんが、出社はしたくないと言っていて困っています

別のマネジャーYさん「メンバーのJさんは、仕事自体は一応問題なく遂行しています。しかし、協働者からは、メールへの返信が遅いといった話や、オンラインミーティングでは理由もなく常にカメラオフで、本当にきちんと働いているのかわからない、といった声も入ってくるようになりました」

このように、リモートワークが権利化している、というケースは良く耳にします。

写真=iStock.com/stock_colors
※写真はイメージです

ここで強調したいのは、リモートワークによって、メンバーは自律的に仕事をしやすくなったり、生活や人生を大切にできたり、安心の場を確保して挑戦できるといった自由を享受できる可能性が高まります。これはリモートワークの良い側面です。しかし、その前提として、メンバーは相応の責任を果たす必要があるということです(もちろん、責任のすべてをメンバーだけが負うという意味ではありません)。

・周囲を安心させる責任
・仕事環境を整える責任
・心身の健やかさを維持する責任

これらの責任の上に自由が成り立つということは、メンバーにも改めて確認した方がいいでしょう。この責任を果たせないメンバーが増えてくると、周囲からリモートワーク自体への疑念が生じて、組織としてのリモートワークの継続が危うくなってしまうかもしれません。

リモートワークには、自由を享受するための責任が伴います。よって、メンバーに自由を享受できるための最低限の責任を果たすことは求めて構いません。その際、マネジャーが気をつけるのは次のようなことです。