勉強を分割して一つ一つの量を減らす

そこで効果的なのがスモールゴールです。

例えば、塾で出された宿題がとても多く感じられ、やる気が出なくてついつい先延ばし。これって、子どもにありがちな行動です。

そんなときには、宿題をいくつかに分けて細かい単位にしましょう。1ページごとに分けるとか、あるいはもっと小さく1問ずつといった感じでも構いません。

その一つ一つをゴール(目標)として設定して、短距離走を繰り返すイメージで宿題に取り組みましょう。そうすると、初めの一歩が踏み出しやすくなり、2歩目、3歩目と続けることができます。

子どもの脳はまだ未発達なので、先のことを見通すのがとても苦手です。私たち大人からすると「すぐに終わりそう」に見えるものも、子どもからすると「ものすごく大変そう」「めちゃくちゃ時間がかかりそう」に感じてしまうものなのです。これは仕方のないことなのですね。

私の授業でも、宿題を子どもたちに伝えると、「えー⁉ そんなに⁉」という声があがることはよくあります。

そんなときも、宿題を一つ一つ細かく分解して、「これやるのに何分かかりそう?」「こっちは何分で終わりそう?」というのを確認し、「じゃあ合計はどれくらいになりそうかな?」と考えさせると、「意外と大したことなさそうだ」と気が付いてくれて話がまとまります。

あなたのご家庭でも、スモールゴールを設定して短距離走の繰り返し方式にすると、きっとお子さんは今までよりスムーズに勉強に取り組めるようになります。

これは、勉強量を少ない量に分けることでハードルを下げるやり方でしたが、時間で短く区切っても構いません。

イラストレーション=伊藤ハムスター

「帰宅したら勉強道具をカバンから出す」などでもいい

また、図や式をていねいに書くのが面倒くさくてハードルの高さを感じるようなら、「とにかくやっていればよい」と割りきって、やり方のハードルを下げるのもよいでしょう。「やらないよりマシ」と開き直ってしまいましょう。

勉強道具を準備するのが面倒くさく感じるようなら、「塾から帰ったら、とりあえず勉強道具をカバンから出す」のように、いつでも勉強できるように準備を整えておき、最初の行動開始のハードルを下げておくのもよいですね。

スモールゴールによって、大きな壁をよじ登って乗り越えるようなやり方ではなく、小さな階段を一歩一歩上っていくようなやり方をしましょう。スモールステップでなだらかな階段にすることを心がけて、お子さんが行動しやすくなるようにしてあげてくださいね。