指の長さや太さ、形はどうにもならなくても、爪の手入れなら誰でもできるのですから。爪が伸びていませんか? 爪先が黒ずんでいませんか? 自分では気にならなくても、周囲の人はちゃんと見ています。
爪先ひとつでビジネスマン失格の烙印を押されかねないのです。世の殿方には、ぜひとも「毎朝出かける前の指先をチェック」をルーティンにしていただきたいと思います。
会話を「でもさぁ」と否定で始めてはいけない
「いや、それは違う」「でもさぁ」「だけどね」――相手の話を聞くと何でも否定で返してくる人がいます。以前、「クラブ由美」のお客さまのなかにも、女の子の話に一から十まで「違う」「それはダメ」と否定で答えるような方がいらっしゃいました。
「今人気の○○っていう和食屋さん、すごくおいしかったんです」
「いやいや、あの店、大したことないでしょ、オレは行かなくてもいいや」
「最近、作家の○○さんの小説にハマってるんですよ。読みだすと止まらなくて」
「でも、あの人の書く小説ってどれも似たり寄ったりだから飽きてくるんだよね」
こんな感じで、女の子の話すべてを否定し、批判し、ダメ出しするのです。
その子いわく、「お客さまだから仕方ないけど、私自身が否定されているようで悲しい気持ちになった」と。会話をするとき、いつも否定から入る。そんな人の心の底には「私はあなたよりものを知っている」という優越感、「自分のほうが正しい」という傲慢な思い込みがあるように思えます。
相手を否定することでしか自分の立場を確立できない人なのかもしれません。会議や打ち合わせのようなディスカッションの場ならいざ知らず、普段の雑談やお酒を飲んでいる席での何気ない会話では、「まず否定」は絶対にNG。
自分が好きなものや気に入っていることの話をしているのに、のっけから「ダメ」「違う」「そうは思わない」では会話が弾むわけもありません。
共感を示す振る舞いが信頼感を生む
先のお客さまにしてもそうです。たとえ自分はその和食屋の料理がイマイチだと思っていても、たとえ自分がその作家の小説をつまらないと思っていても、頭から女の子の話を否定し、自分の価値観だけを声高に主張するようでは社会人としての品位が疑われます。
人は誰だって「そうだよね」と自分の話に共感されると嬉しくなるもの。そして共感してくれる相手には、親近感や信頼感を覚えていくものです。
その真逆の行為が「いや、でも、だけど、しかし、違う――」といった頭ごなしの否定なのですね。そもそも相手が、自分とまったく同じ価値観や趣味趣向の持ち主であることなどまずあり得ません。
人ぞれぞれ、味覚も違えば、小説の好みも違います。それが個性であり、個性が違うからこそ人間同士の付き合いはおもしろいのです。何でも否定や反対から入る人とは会話も続きません。いえ、会話をしたいと思わないでしょう。