青魚の脂には胃酸の分泌を抑える作用がある

青魚のイワシ、サンマ、サバ、アジ、ブリ、カツオ、マグロなどが推奨されています。これらの青魚の油には、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)、α-リノレン酸などの「オメガ3脂肪酸」が豊富に含まれています。

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青魚の油が胃に好影響とは不思議に思われるかもしれませんが、胃酸の分泌を抑える作用があることが確かめられています。同時に、オメガ3脂肪酸が血液中の悪玉コレステロール(LDL)や中性脂肪を減らして善玉コレステロール(HDL)を増やす、つまり血液サラサラ効果など、ヒトの体と脳によいこともよく知られています。

ただし、患者さんの中には、「青魚は苦手なのですが……」という人もいます。その場合は無理に食べる必要はなく、白身魚でも有用です。ほかに消化によいタンパク質では、豆腐、ナットウ、卵、トリのササミ肉、トリのムネ肉、牛乳やヨーグルト、チーズも推奨されます。

とはいえ、いくら胃によいからといって、青魚だけや豆腐だけを食べるといった偏った食べ方ではなく、先に紹介した野菜とともに栄養のバランスが整うように組み合わせて変化をつけましょう。

オリーブオイルは便秘にも逆流性食道炎にも効果がある

近年、食品の中でももっとも多く質問を受けるのは食用油についてです。「オリーブオイルは油なので胃にいいようには思わないのですが、本当にいいの?」といったことですが、はい、本当です。

オリーブオイルにはオレイン酸という胃腸の働きによい成分が豊富に含まれています。これが胃の滞留時間が短く、消化に時間がかからない、胃酸を分泌する時間が短く量が少ない、下部食道括約筋への影響も少ないため、逆流性食道炎の患者さんにも勧められます。

またオレイン酸は腸の蠕動ぜんどう運動を促す作用があり、便通をよくする作用もあります。便秘は胃を圧迫するため、とくに逆流性食道炎にとっては悪影響が大きいのですが、それを防ぐ食品と言われています。

さらに、青魚の油と同じく、悪玉コレステロールを抑え、善玉コレステロールを増やすことも知られています。一般の食用油は消化に時間がかかって胃酸分泌が増えます。そのため、その油を使った脂っこいおかずも胃に悪影響となるわけです。調理やドレッシングには、オリーブオイルを使いましょう。