男性の価値観は登録前の面接でしっかりチェック
キャリ婚のシステムで最も特徴的なのは、会員登録の直後に男女会員が書き込む「価値観シート」と、男性への面接でしょう。
前者のシートに用意された質問項目は、約40問。そのうち20~30問で「DV、モラハラ気質」や「相手に望む条件と設問の答えに、矛盾がないか」などを見ているそうです。
具体的には、たとえば価値観シートで、パートナー女性の年収について「自分より高い(低い)ほうがいいか」などを聞いたあと、面接で年収の高低とも関連する「家事分担」の意識との整合性などをチェック。その後さらにヒアリングを行い、女性のキャリアへの理解度などを確認するとのこと。
「とくに注目するポイントは“柔軟性”や“相互の支え合い”を感じさせる人かどうかです」と川崎さん。
柔軟性では、たとえば子どもについて「絶対欲しいんです」ではなく「こればかりは縁なので」などフレキシブルに考えられるか、一方の支え合いでは、相手女性とケンカした際に「自分にも責任がある」と感じられる男性か、なども見ているといいます。
SNS上では、キャリ婚の面接を受けたのかもしれない、と連想させる男性が「キャリ婚(婚活)、落ちた。日本死ね!」など、以前の流行語(「保育園落ちた日本死ね」)を冗談交じりで文字った書き込みも、散見されます。裏を返せば、それだけキャリ婚が「この男性は会員に向かない」と、面接でキチンとチェックしていると言えるでしょう。
女性は収入を低めに書こうとする傾向がある
一方、会員登録する女性の側は、いまだに自分の収入を「低め」に書こうとする傾向があると川崎さん。彼女たちには「おかしくないですか? 収入は、あなたが頑張ってきた証しですよね」などとアドバイスし、より実態に近い数字を書いてもらうようにしている、とのこと。
こうしたきめ細かな対応は、運営サイドにとっては手間のはず。ですが、川崎さんたちが打ち出した「女性のみ有料」な「女性主導の婚活」という珍しいサービスが、わずか5年で1万人以上の会員を集めたという現実を鑑みると、間違いなくそこにニーズはあったのです。