校内で被害に遭ったら、学校より先に警察へ
学校での性犯罪は、先生から行われるものだけでなく、子どもどうしで行われるものも実際には少なくありません。
学校の先生や同じ学校の生徒から性暴力に遭った場合、その学校の校長先生などに相談するより、警察や支援センターへ相談することをお勧めします。
学校内でヒアリングをしても、双方の言い分が異なっていて客観的証拠がなければ、学校としてなす術はありません。特に加害者が生徒の場合、学校としては加害生徒の将来も考えなければならない立場にあるため、被害者の救済が不十分な例が散見されます。
刑事事件としての立件を望むのであれば、警察やワンストップ支援センターに行き、被害に遭った子どもに精神的な症状がある場合は、性被害の専門知識のある精神科医の治療や、臨床心理士のカウンセリングを受けるようにしましょう。適切なケアを受ければ早い被害回復を見込めます。また、後日裁判になったときに、精神科のカルテや診断書は有力な証拠になります。
先生から児童への加害の場合、先生は発覚しないように犯行を重ねていることが多く、児童から児童への加害よりさらに対応が難しくなる場合が考えられます。
学校は捜査機関ではありませんし、人間関係も複雑に絡みます。ワンストップ支援センターや警察に行き、相談しましょう。
同じ先生が複数の生徒に性加害をしていることがありますが、客観証拠が乏しくても同様の被害届が出ていれば、立件しやすくなります。
「もっと気をつけなさい」と言ってはいけない
子どもが電車で痴漢に遭った場合、親の対応として重要なのは「もっと気をつけなさい」「スカートが短いから」等と、子どもに非があるような態度を取らないことです。そのように言われると、子どもは二度と親に相談しないでしょう。
電車での痴漢は、単なる痴漢に終わらず、それが強制わいせつに発展したり、電車を降りてからも後をつけられてストーカー事件になることもあります。「痴漢」は軽視してはならない重大な犯罪です。
被害に遭った子どもの年齢にもよりますが、子どもから「痴漢に遭った」ことを知らされた場合、簡単に概要を聞いて、まずは警察に届け出ることが重要です。
子どもが制服姿の場合、学校を特定できるため加害者から顔を覚えられていることも少なくありません。繰り返し被害に遭う可能性があります。続けて被害に遭うようであれば、警察官と一緒に電車に乗り、現行犯逮捕してもらえる場合もあります。
また、学校にもよりますが、痴漢に遭ったことを連絡して、被害届を出す手続きなどに時間を取られても遅刻扱いしないよう交渉することも重要です。警察官によっては、自ら学校に電話してくれる場合もありますので、警察に頼んでみるのもひとつの方法です。