生き延びた居酒屋と潰れた居酒屋の決定的な違い

2020年、コロナ禍により、飲食店の倒産は過去最多を更新し、その中でも居酒屋が最も多いというデータがあります。

本来、居酒屋は不況の味方です。

コストパフォーマンスが抜群にいいのです。

藤嶋由香さん(撮影=永峰拓也)

毎月のおこづかいが月3万円のサラリーマンでも、ランチを500円で済ませる方でも、週末に3000円~5000円というわずかなポケットマネーで、同僚と飲みに行けるのが居酒屋だからです。

そこで、ストレスを吹き飛ばし、生きる活力を得られるからです。

しかし、コロナが発生し、営業自粛やディスタンス社会への変化、リモートワーク化などの影響で、居酒屋経営は急速に厳しくなりました。

ここで生き延びることができた居酒屋と、潰れてしまった居酒屋には1つの決定的な違いがあります。

それは、「人の心を癒せるお店だったかどうか」です。

不況のときこそ、人は不安を抱えます。

明日解雇されたらどうしよう、お給料の手取りが下がって家族と揉めたらどうしよう、病気になったら医療費を払えるだろうか、家賃を払えず、住む家を追い出されたりしないだろうか……。

これらの不安を抱えていても、居酒屋でグチを言ったり、悩みを聞いてもらったりすることで、「きっと、明日、いいことがある!」と希望を持つことができるのです。

お客様にこのような希望を提供できないお店が、今、苦境に立たされています。

お客さんの数は100人でいい

たとえば、「安い値段で提供しているのだから多くを求めないでほしい」という店は意外と多いものです。

その結果、店員のサービス精神が低い店……。

お客様が何か簡単なことをリクエストしても、その場で、「それはできません」と拒否するマニュアル店員……。

私は、居酒屋とファミレスの大きな違いは、「店長や店員の顔が見えるか見えないか」だと思います。

つまり、コミュニケーションが取れているかどうかなのです。

お客様が居酒屋に求めるものは、決して味や量だけではありません。

安いお酒と料理で済ませたいのならば、コンビニやスーパーの惣菜で十分です。

お店の人や飲み仲間とのコミュニケーションによって癒やされたり元気をもらえたりする場であるのかどうか、という点がとても重要になります。

そんな心の安らぎを提供するために、「やきとんユカちゃん」では、まずお客様を選びます。

そして、お店を本当に愛してくれてファンになってくれている良質なお客様を大切にします。

そのお客様の数はたった100人でいいのです。

100人なら顔や名前やどんな仕事をしているのかがわかります。いつもどんな料理を食べるのかもわかりますし、お客様の満足するサービスもできるのです。

ぜひ、あなたのビジネスにおいても「良質な顧客を選ぶ」ことで、不況に強い店創りを目指していただければ幸いです。