女性の幸せは子どもの数によって変化する

その重要な要因は、「子どもの数」です。

子どもの数が二人、三人と増えるにしたがって、必要となる金銭的、時間的なコストも増加していきます。子どもの性別が同じであれば、上の子のおさがりを活用でき、コスト削減につながりますが、教育費等は倍かかってしまいます。

また、子どもが増えるにしたがって、養育に必要となる時間も大きく増加します。特に、新しく子どもが生まれた直後だと、上の子どもと下の子どもの面倒を同時に見る必要があり、時間的・体力的にもきつく、疲弊してしまいます。

このように、「子どもがいるかどうか」だけではく、「何人の子どもがいるのか」によって、子どもの存在が女性の幸せに及ぼす影響も変化する可能性があるわけです。

はたして、実態はどのようになっているのでしょうか。

子どもの数が多いほど、女性の満足度は低下する

図表2は、子どもの数と既婚女性の生活満足度の関係を見ています。

この図は、明確な1つのメッセージを示しています。

それは、「子どもの数が増えるほど、女性の満足度は低下する」というものです。

この傾向は、女性の年齢、世帯所得、夫婦の学歴、就業形態といった要因の影響を統計的に除去しても変化ありません。

「二人は欲しい」「できれば三人目も欲しい」と望む女性がいる中、実際に出産してみると生活全般の満足度が下がってしまう。

これが日本の女性の直面する厳しい現実です。

ほとんどの親にとって子どもは可愛く、いとおしい存在です。しかし、子どもの数が増えるにしたがって、生活全般の満足度が低下してしまう。

このような厳しい現実が「もう一人」を生むことをためらわせ、子どもの数の減少につながっている可能性があります。