親子で新聞記事の読み比べをするかしないかで点数に差が出る

複数の資料を使って応用的に考える力を養うために、どんな準備をしておけばよいのか。

出所=『プレジデントFamily 2021春号』

「日常の中で親が意識をして、子供新聞で記事を読み比べる練習を一緒にしたり、学校の調べ学習でテーマに関連する資料を何冊か読んで深掘りさせたりすることです。大人は、新聞やインターネットに流れるさまざまな記事を読み比べるなど、日常生活の中で無意識のうちに実践しています。子供も同じように習慣付ければ、多様な視点や探究心は自然と身についていくはずです」

子は親の鏡。子供の考える力を伸ばすには、まずは親自身が自分の考えや気持ちばかりに執着せず、社会を広く見渡し、多様な視点を持つことも忘れずにいたい。

▼プロの見方
前身であるセンター試験からの変化は、予想されていたほど大きくはありませんでした。ただ、移行期間で変更幅が小さくなったという側面もあるでしょう。これから、より実用的な資料を読み解く方向に向かう可能性もあります。「本文を読み解く力」に加え、「本文を基に応用的に考える力」は一層重要になるはずです。

普段の「親の話し方」次第で子供の共通テストの点数が上がる

▼小中高の子供と親が今からやるべきこと
『プレジデントFamily2021春号』(プレジデント社)
1:ニュース解説の記事を読む

応用的に考える力を伸ばすのに社会問題について詳しく解説している記事はうってつけ。今、話題になっているテーマについて、何人かが異なる意見を述べているインタビュー記事もよい教材になるでしょう。複数の視点を見比べる練習になるだけでなく、どの意見になぜ賛成か、反対かなど、家族で対話を深めるきっかけにもなります。インターネットで記事を読む際にはリンクが貼られた関連記事も併せて読み、どの点でつながりがあるのかを親子で一緒に考えるようにするといいでしょう。

2:少し難しめの文章を精読する

共通テストの現代文で求められるのは、精読力、速読力、複数の文章を関連付けて読む力です。この中で最も身につけづらいのは精読力。鍛えるには、一度読めばわかる易しい文章をたくさん読むより、自分がわかるレベルより少し難しいものをじっくり読む練習が効果的です。筋トレのように、負荷をかけて練習することで力がつくのです。小学校の高学年なら、少し背伸びをして、大学の先生が書く新聞の文化欄の文章などを読んでみるのもいいでしょう。

3:論拠を明確にして話す

普段の会話で、親が要点や理由を明確にして話すようにすると、特に論説文で役立ちます。たとえば何かをしてほしいときには何を、なぜ、どのようにしてほしいのかを子供に説明させましょう。親の側も黙って言うことを聞きなさいなどと意見を押し付けるのはNG。小説では、自分以外の人の気持ちを想像できるかがカギです。たとえば自分には励みになる言葉でも、プレッシャーに感じる人もいるといったことです。読書や映画などからさまざまな立場に立って考える機会をつくりましょう。

以下、後編「数学」〈「スマホに強い子は、大学共通テストにも強い」わが子に最も得なスマホ料金プランを計算させよ〉へ続く。

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