テドロス事務局長は中国と親密なエチオピアの出身
当初、WHOのテドロス・アダノム事務局長は宣言を出さない理由を中国側の説明を根拠に「中国以外で人から人への感染はなく、世界的危機ではない」と語っていた。
このテドロス事務局長、実は同年1月27日に北京入りし、習近平国家主席と会談している。中国のトップと直接面会できるほど、テドロス氏は中国政府に信用されている。裏を返せば、それだけテドロス氏は中国寄りなのである。本来ならWHOは真っ先に感染症対策の専門家チームを中国に送るべきだった。
テドロス氏は2017年7月にWHOトップの事務局長に就任している。政治的も経済的に中国と親密なエチオピアで外相や保健相を務めていた。事務局長としては初めてのアフリカ出身者だ。公衆衛生学の博士号は持っているものの、臨床医の経験はない。
「中国にお墨付きを与えるための調査団派遣だった」と産経社説
2月12日付の産経新聞の社説(主張)は「『起源解明』にはほど遠い」との見出しを掲げ、こう書き出す。
「この会見結果は今後、中国の宣伝にフルに活用されるのだろう。中国にお墨付きを与えるための調査団派遣だったのかと疑いたくもなる。再調査が必要ではないか」
産経社説は指摘する。
「発表内容は、ほぼ中国側の主張の追認といえた。だが新型コロナによる集団感染が確認されて1年以上を経ての調査である。これほどの時間を要したのは中国側が調査団の受け入れを拒否してきたからだ。1年あれば、痕跡を消滅させることも容易だったろう」
中国が感染源に関する証拠を隠滅したかどうかはわからない。しかし、一党独裁体制のもとであからさまに自国の利益を追求するその歪んだ姿勢を見れば、そう疑わざるをえない。