WHOは再調査を行い、あらためて記者会見を行うべきだ
産経社説は書く。
「ようやく武漢入りした調査団だが、華南市場の調査は1時間強で打ち切られた。一方で中国共産党がコロナへの『勝利』を誇示する展覧会への訪問には時間が割かれた。すべての行動には中国側関係者が同行しており、調査日程も中国側が主導したことを物語る」
これではとても現地調査とは言えない。客観性に欠ける。開いた口がふさがらない。
さらに産経社説は指摘する。
「WHOは新型コロナの感染拡大当初から、国際社会の信用を損ねていた。テドロス事務局長は昨年1月、北京を訪問して習近平国家主席と会談し、『中国政府が迅速で効果的な措置を取ったことに敬服する』と絶賛した。トランプ前大統領はWHOを『中国の操り人形』と呼んだ」
トランプ氏にはさまざまな問題はあったが、WHOを中国の傀儡とする見方は正しいように思う。これまの動きを見る限り、テドロス氏は習近平氏の手先である。
最後に産経社説はこう主張する。
「WHOが信用回復を望むなら、改めて中国を離れた調査団とともに会見し、中国当局による初期の隠蔽疑惑についても明確に所見を述べるべきだ」
賛成だ。WHOは中立の立場で再調査を実施し、その結果を正確に公表すべきである。
「国際的な信頼を損なう事態に、失望を禁じ得ない」と読売社説
2月11日付の読売新聞の社説も「世界保健機関(WHO)の国際的な信頼を損なう事態に、失望を禁じ得ない」とWHOの姿勢を厳しく批判する。
読売社説は指摘する。
「武漢で昨年1月に感染が拡大した際、中国の対応は遅れた。当局は異変を告発した医師を処分し、情報を隠蔽した。WHOが2月と7月に専門家を派遣した時も、中国は『終息が先だ』などとして、積極的に協力しなかった」
「中国は、武漢がウイルスの発生源との見方を強く否定し、『外国起源説』を宣伝している。自国が関わりがないと言うのなら、WHOの本格調査をいち早く受け入れ、真相の解明に真摯に協力すべきだったのではないか」
いま思い起こしても、中国の隠蔽行為はすさまじかった。なぜ中国は早い時点でWHOに協力しなかったのか。新型コロナが中国で発生し、感染を世界に広げてしまったとの事実が公になることを恐れたからではないか。
読売社説は「習近平政権は、『コロナとの戦いに勝利した』として、共産党統治の優位性を主張している。感染症対策に必要な国際協調に背き、自国の影響力拡大を図る姿勢が各国の信頼を損ねていることを認識しなければならない」とも指摘するが、この先、中国はそう反省するだろうか、大いに疑問である。