電機メーカーの二の舞になってはいけない
長めの目線で考えた時、EV、さらにはそれをプラットフォームとした新しい生き方を支えるモノとしての自動車が生み出されれば、わが国の経済にはかなりの影響がある。なぜなら、自動車産業はわが国経済の安定と成長を支える大きな原動力だからだ。自動車産業はわが国の雇用の8%を支え、すそ野が広い。
わが国企業は、国内の基礎研究力や製造技術を高めることによって、新しい発想を実現して新しい自動車を生み出す体制を強化しなければならない。そうした取り組みを進めることが難しいと、自動車産業が、わが国の電機産業の二の舞になる可能性は否定できない。
わが国の電機メーカーは垂直統合のビジネスモデルにこだわった結果、デジタル家電のユニット組み立て生産の普及という世界経済の環境変化に対応することが難しかった。アップルが自動車分野への取り組みを強化しているとみられることは、わが国経済にとって無視できない変化だ。