誰一人として取り残すことのない社会に
【白河】内閣府が進めるだけでなく、国民運動にしたいとおっしゃっていますが、具体的にどんなことをお考えでしょうか。
【橋本】政府としては、令和2年度から4年度までの3年間を「性犯罪・性暴力対策の集中強化期間」として、各省庁と連携すると同時に、被害者の支援、加害者の対策、教育啓発にもしっかりと取り組んでいきます。また、被害直後から医療的支援、法的支援、心理的支援を総合的に行う「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」の増設や強化といったことも積極的にやっていきたいですね。これは補正予算にも盛り込んでいます。国民運動としては、やはり誰一人として取り残すことのない社会にしていきたいということです。全国各地どこでも必ず手を差し伸べるところがあるということを広報していくことに今、力を入れています。
【白河】大臣が方針発表の際に、性暴力に抗議する「フラワーデモ」にも言及されましたね。フラワーデモについてはご存じでしたか?
【橋本】視察でワンストップ支援センターを訪れたときに、フラワーデモの活動をしている方もいらっしゃったんです。そこで、一度見に来てください、参加してくださいと声をかけていただきました。そのときはタイミングが悪くて行けませんでしたが、時間が許せば参加して、いっしょに歩いてみたいと思っています。こういったことを国民の皆さんも身近な問題として受け取っていただければなと思っております。
【白河】ぜひ機会があれば参加していただきたいです。本日はどうもありがとうございました。
5年ごとに編まれる男女共同参画基本計画。「第5次男女共同基本計画策定専門調査会委員」として、案を作ることに参画しました。また毎年出される男女共同参画の「重点方針調査会」の委員として2016年から議論に加わっています。
今まで政府の委員としてさまざまな委員会に参画しましたが、若い人たちの声を、大臣や官僚が直接聞き、その声を生かそうとギリギリまで努力してくれるという経験は、あまりありません。今回は、会議の設定(分科会で最新の知見を持つ専門家が集まったこと、Zoomで会議を全公開し、公聴会もZoomで開いたことなど)も非常にオープンでした。
第5次は第4次までとは違い、パブリックコメントが6000件以上集まり、「2020年までに30%」の目標未達はどうなるのか、「選択的夫婦別姓」や「緊急避妊ピル」など、論点が多く、メディアの注目も集りました。特にユースの「#男女共同参画ってなんですか」の活動は大臣の心を動かしたと思います。
橋本大臣は、この分野について最初は「勉強します」とおっしゃっていましたが、短期間で問題の本質をつかみ、パワフルにこの分野をリードするようになった。忖度せず発言できるのは、やはり「若い世代の声を聞いている」というバックボーンがあるからでしょう。声をあげる事は決して無駄ではなく、声が届くことで政策がより「踏み込んだもの」になることがよくわかります。