園児一人ひとりの才能を伸ばす教育が必要

ひとつの方向性としては、データベースのつくり込みが重要であると考えています。教育という観点からも、保育園にはさまざまな情報が飛び交っています。それらを適切に収集し、蓄積していくことが、教育の最適化に寄与すると思います。

たとえば、身体的な部分に関しても、発達に関しても、それぞれの児童で違いがあります。それなのに一律の教育をしていては、個性を十分に伸ばすことはできません。少なくとも、本人の能力を2倍3倍にすることはできないでしょう。

また、子どもにより、好きなことも違えば、興味関心の方向性も異なります。協調性を育むことはもちろん大事ですが、一方で「どのような違いがあるのか」を教育する側の大人が理解したうえで、子どもごとに才能を伸ばすための施策を講じることも大切なはずです。

たとえば、「数学のノーベル賞」とも言うべき国際的な賞であるフィールズ賞を取れるような才能のある子どもがいた場合、その子に対し、みんなと同じようなレベルで小学校のかけ算から教えるのはもったいない話です。一方で、まだ発達が追いついていない状態で、次のことを与えてしまうことももったいないと思います。

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観察と分析で、保育の個別最適化を追求する

もちろん、一定のカリキュラムを用意することにも意義はあるのですが、そうだとすれば、日本の教育過程でチャンスがあるのは未就学の段階だけです。そこに一定の指標を提示できるかどうかは、今後の活動次第だと思います。

「保育の個別最適化」は、すぐに答えが出ることではありません。3年、5年、あるいは10年以上かかるかもしれません。それでも私たちは、日々の活動を通じて、何らかの答えを提示していきたいと考えています。事業としての中間目標はまさに、そこにあります。

その前提となるのは、子どもをよく見て、子どもを知ること。つまり、子どもに対する観察力と分析力が必要となります。それは、保育の原点とも言える活動でしょう。私たちはこれからも、保育の個別最適化を追求していきます。