洗剤の量を増やしても汚れは落ちない
さて「マスクの正しい洗濯」に話を戻します。
プレウォッシュが終わったマスクを置いている間、洗濯物を入れていない空の洗濯機にお水をためてください。水がたまりきったら、洗剤を投入し、洗濯機内で、水と洗剤を攪拌させます。ドラム式をお使いの方は、水と洗剤をあらかじめ混ぜ合わせた液体を洗剤ケースに直接入れます。
水は繊維のなかにまで浸透して汚れを落とすのですが、同時に繊維にとってかなりの刺激があり、縮みや傷み、色落ちなどを引き起こします。繊維を水から守るために、水と洗剤を前もって合わせておきましょう。
水と洗剤の量は、だいたい水1Lに対し、洗剤1mLほど。パッケージの裏面に書かれている洗剤メーカーの濃度設定通りでかまいません。洗剤の量を増やせば、増やすほど、汚れが落ちると勘違いしている人が多いのですが、それは大きな間違いです。洗剤の量を増やすと立ちすぎた泡が汚れを保護してしまったり、洗剤の成分がしっかりとすすぎ切れなかったりして、汚れが落ちにくくなってしまいます。
いよいよ洗濯機での本洗いですが、その前にもうひと手間。プレウォッシュしたマスクを洗濯ネットに入れてください。マスクに対して洗濯ネットが大きすぎると型崩れしたり、しわになったりするので、ネットの空いたスペースを結び、マスクが動かないように固定します。
洗いの時間は3分程度で十分です。洗濯機では、洗いのあと、脱水、すすぎ、脱水という工程になるのですが、汚れや匂いをカットするのは洗いではありません。脱水の遠心力で、汚れを繊維から剥がして、すすぎで汚れを落としているのです。
デリケートな生地を使ったマスクは手洗いで
シルクや麻、ガーゼなどのデリケートな生地を使ったマスクは、手洗いがおすすめです。東京都の小池都知事がいつも着用しているような刺繍が入ったマスクを洗濯機に入れたら、いっぺんで縮んだり、型崩れしたりしてしまう恐れがあります。
手洗いといっても簡単です。プレウォッシュのあと、水と洗剤を混ぜた液体のなかで、3分ほど押し洗いするだけ。手洗いが終わったあとは、洗濯ネットに入れて洗濯機で脱水とすすぎを行います。洗剤の量や柔軟剤の使い方に注意するだけでなく、脱水やすすぎも、肌とマスクを守るポイントになってくるのです。
そして最後が乾燥。乾燥機を使うと、一気に縮んでしまい、アベノマスクのようなサイズになってしまいます。ピッチハンガーに、マスクを広げて、2箇所から4箇所を挟んで干せば、3、4時間で乾きます。耳の部分を引っかけるとマスクの重みで、ゴムが伸びたり、たるんだりしてしまうので、注意してください。