メッシ、ネイマール、ロナウジーニョなどが伸びた理由
メッシ、ネイマール、ロナウジーニョなどは、自由な環境でサッカーをやってきたので、あれだけ伸びたのですが、日本の子どもたちは普段からしっかりと練習するので、隙間がなくなり、自由もなくなります。そこから自分を伸ばしていく方法がわからない。自分で自分の伸ばし方がわからないので、そこで止まってしまうのです。
自由の中の量であればまた話が違ってくるのです。ストリートで日が暮れるまでサッカーする子どもはやらされているわけではありません。自由の中で育ってきた選手は想像力で伸びていきます。たとえば、自分はこうやって伸びてきたので、こうやってやろうとか、自分の形やフォーマットができているのです。
練習はもちろん大事ですが、やればやるほどうまくなるという考え方は一旦置いておいて、ゴミ箱に捨てておきましょう(笑)。
練習で大切なのは、バランス、そして質です。
スペイン語で練習は“JUGAR”=遊ぶ
小学生年代では、どのようなシチュエーションでサッカーに向き合っているかが大事になります。死ぬほど厳しくされて今の自分があるのか、自由の中で育ってきた先に今の自分があるのか。前者で育ってきた子どもは、中学生や高校生になり、自分の理性がある程度出てきたときに苦しみます。
逆に、後者は自分をよく理解できているので、壁に当たっても自分で乗り越える術を知っているからさらに伸びていきます。だからこそ、あまりにも厳しく練習をやらされ、親がプレッシャーをかけ過ぎると、子どもは早熟になり、成長が無くなってしまうことが多々あります。
本来、サッカーは自由に楽しむスポーツです。南米でよく見るのは、ストリートでサッカーがうまくなって伸びていく光景です。でも、日本の子どもたちはサッカーをやる場所がないから誰かに習うことになります。習うことで自分で考えるのではなく、言われたことがサッカーなのだと思い込んでやり続け、ある程度のレベルまで到達します。
しかし、やはりプロになるには人から教えられることだけではなれません。結局は、自分自身がある程度考えながらサッカーができないと伸びていきません。だからこそ、子どものときは楽しさと自由さがないといけないのです。
スペイン語で練習は“JUGAR”です。遊ぶという意味の言葉です。でも、日本の練習は“Entrenamiento”(トレーニングの意味)と言います。レジェンドクリニックで来日したロベール・ピレス(元フランス代表)が「もっと練習しよう」と言ったのは“JUGAR”という意味における練習です。もっとサッカーで遊びなさい、ということです。