オンラインでの「何気ない目線そらし」は誤解を招く

また、目線を合わせるのと同時に、語尾に気持ちをのせ、相手の側にそっと置くような意識をもつと、さらに効果的です。このテクニックは相手に質問をする際にも使えます。慣れるまでは、難しいと感じるかもしれませんが、目線を合わすテクニックと同様に相手との心理的な距離を縮めるという意味でもとても有効なテクニックです。

一方目線に関するデメリットとしては、その乱れが対面以上に気になる点が挙げられます。

対面で話しているときなら、たとえあなたが相手の後ろにある絵画や窓の外の風景、時計などを見たとしても、相手はさほど気になりません。あなたが何を見ているか理解ができるため、その意図を相手も察することができるからです。窓の外を見ていたら「風景が気になるのかな」と考えますし、時計を見る様子が目に入れば「そろそろ時間かな」など、目線の先にあるものから、あなたの気持ちを相手も推察することができるのです。

しかし、オンラインで話している時に、あなたが何気なく視線をそらした場合、相手は何を見ているのかの想像がつきません。そのせいで、全く関係のないところを見ているように伝わり、話に集中していないかのような印象を与えてしまいかねないのです。

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それを防ぐためにもオンラインでは目線の配り方に配慮し、手元の資料を見ている、メモを取っている、画面で共有された資料を見ているなど、相手から見て、あなたが何を見ているのかがきちんと伝わるようにしましょう。

相手の目を見てうなずいても意味がない

また、オンラインの場合は特に、話し手側は相手がちゃんと聞いてくれているかどうかが気になるものなので、傾聴時は「きちんと聞いている」ということを伝えるためにも、話している相手と目線を合わせる意識をもつほうが良いと思います。相手と目を合わせているつもりで、画面に映る相手の目を見ながらうなずいている人が時々いますが、すでにお話ししたように、カメラを見なければ目線は合いません。

感覚的に目が合っているように勘違いしがちなのですが、時折画面から目線を外し、PCカメラを見るようにしないと、相手からはあなたがずっと目を伏せているように見えてしまうので、注意してください。

このようにオンラインの特性を利用した目線の配り方を身につければ、オンラインにおける〈印象力〉を高めることができるでしょう。