「初めての投資は米国株から!」の理由
S&P500というアメリカを代表する企業500社の株価を合わせて作った指数を見てみると、アメリカの株式市場がどれくらい発展してきたかが一目でわかります。
1970年を起点として、過去50年間という目線で考えてみると、米国株価はなんと35倍にもなっています。
つまり、50年前に100万円を投資していれば、3500万円になっていた、ということです。
図表1のグラフは直近25年のS&Pの株価推移のグラフですが、こちらを見ていただければ、米国市場がいかに驚異的な速度で拡大し続けてきたかがわかるかと思います。
また、アメリカは世界一の経済大国であるため世界中の国と貿易を行っており、代表する企業の多くは世界中から収益を上げています。アメリカに投資するということは、間接的に世界中に投資することになり、リスクを抑える分散投資にもなるということです。
初心者は個別株よりまずETF投資
アメリカに投資すべきという考えは理解できても、投資初心者がいきなりアメリカ株を買うのはレベルが高すぎるのではないでしょうか? 日本株ならまだわかりますが、アメリカの会社について調べるだけでも相当な労力が必要です。
そこで初心者におすすめなのが、比較的低リスクである「ETF」という複数の株式がセットになった投資商品を使って練習しておくことです。
一般的に人気なのは、バンガード(編集部注:インデックス・ファンド最大手の投信会社)の「バンガード・S&P500(日本株の銘柄コードにあたるティッカーシンボルでVOO。以下同)」というETFです。大手バンガードの投資商品であり、資産総額が大きいため途中償還されにくく、経費率が非常に低いことが利点といえます。
いきなりアメリカの個別株に投資するよりも、S&P500に連動するETFのVOOを買う方がはるかにリスクは少ないでしょう。少額を投資しただけでも、世界の経済ニュースに興味を持つようになり、調べる習慣がついてきます。さらに、下がったときや上がったときに、自分の心理をコントロールする練習にもなるので、自らの投資スキルを身につけるのにもぴったりです。