よりリアルな実践を想定した訓練をするべきだ
繰り返しますが、特科の装備する砲身砲(榴弾砲)の特性は、精密な誘導機能はないものの、安価な弾を大量に打ち込むことによって敵を撃破するところにあります。
本来有利な態勢を保持していなければならないはずの攻撃部隊にとって、最初から保有している弾薬が少ないという状態はレアなはずです。しかし、陸上自衛隊の訓練においては毎回弾が少ない状況の設定で、十分に敵を叩き切れないまま、味方は突入しなければならないのです。
もし弾薬が少ないというのであれば、弾が少ない状況に陥らないようにするにはどうすればいいのかを考えるべきでしょう。それが実戦を想定するということです。
実戦と同じようなリアルな状況で訓練を行うことによって、「できること」と「できないこと」が明確になり、そこで初めて「できないこと」を「できる」ようにするための具体的な改革・改善策を考えるようになり、訓練を進めていく方向が明らかになるのではないでしょうか。