初代のアイデンティティに回帰

そこでいま一度、「プライドポテト」とは何か? に立ち返って考えてみたという。

「2~4代目では、一般的なポテトチップス商品らしく見えるようにデザイン変更を施しましたが、結果として、わざわざ高いお金を出してプライドポテトを買う意義が薄れてしまいました。そこで初代の『白を基調としたデザイン』『マチがあって垂直に立つ形状』『ポテトチップスが1枚1枚整然と並んでいる写真』をもう一回形にしようと」(野間氏)

商品名をカタカナ表記して認知させやすくし、フレーバー名も過去最高に大きな文字とした。それでいて初代の特徴的な3要素はしっかり継承。たしかに、これを店頭で目にすれば、2017年の初登場時の衝撃が思い出される。厳しい言い方をすれば、2~4代目は――少なくともパッケージデザイン面では――「プライドポテト」のアイデンティティを失っていたのだ。

“店頭2秒”をつかむネーミング

現行の5代目のフレーバーは4種類。「神のり塩」「衝撃のコンソメ」「感激うす塩味」「芋まるごと 食塩不使用」である。このネーミングにも一思案あった。

「お高くとまりすぎたネーミングだと、ユーザーがなかなか入ってこない。とはいえ『濃いめののり塩』みたいな“置きにいった名前”ではインパクトがない。どこかに突っ込みどころや親しみやすさを含ませつつ、お客さまがひと目見て認識でき、食べてみたい! と思わせるネーミングにしました。“店頭2秒”、店頭で訴求できるかどうかは2秒で決まると言われているんです。見た瞬間に興味が湧かなければなりません」(野間氏)

写真提供=湖池屋
初代「プライドポテト」

たしかにこれらのネーミングには、初代の3フレーバー「秘伝濃厚のり塩」「松茸香る極みだし塩」「魅惑の炙り和牛」が醸していたような気高さやプレミアム感とは、趣を異にした親しみやすさを感じる。