リーマン・ショック以降、5年間の就活低迷期が続いた
大震災も経済に影響を与えたが、復興需要によって建設業など一部の産業は息を吹き返すことになる。
しかしそれでも新卒求人倍率は13年卒1.27倍、14年卒1.28倍と低迷し、上向き始めたのは15年卒(1.61倍)からだった。
リーマン・ショック以降、5年間の低迷期が続いたが、今回のコロナショックによる買い手市場はいつまで続くのか。
緊急事態宣言が解除されても、コロナが収束しないなかで元の経済状態に戻るのはほど遠いとの見方が大勢を占めている。
IMF(国際通貨基金)は、人との距離を置くことによる営業活動や生産性の低下が20年後半も続くとし、世界の実質経済成長率を4月の予測より、1.9ポイント低い前年比4.9%に下方修正した(6月24日)。日本についても前年比マイナス5.8%に落ち込むと予想している。
リーマン・ショック時の教訓は「学歴重視が高まる」という傾向
ちなみにリーマン・ショック後の09年の日本の実質経済成長率はマイナス5.5%だった。不況の谷が深いと元に戻るまでに時間がかかる。
ところで採用数が少なくなり、買い手市場に転じると就活にどんな影響を与えるのか。リーマン・ショック時の教訓は「学歴重視が高まる」という傾向だった。09年当時の電機メーカーの人事担当者はこう語っていた。
「採用数が多ければいろんな大学からも採るようにしているが、余裕がなくなると相対的に偏差値上位校の比率が高くなってくる。数はともかく、外せないのは旧帝大と早稲田、慶応。今年(09年)は去年と比べて幅広い大学に声をかけてその中から採ろうという機運がなくなった」
すでに2022年卒の採用に向けた夏のインターンシップの受け付けが始まっている。さて今後どうなっていくのか、行方が注目される。