褒められたら「子供でなく自分を下げる」
我が子をほめられたときの対応策その1は「自分を下げる」ことです。「◯◯ちゃんは本当に賢いね」と言われたら、「そうなのよ、トンビがタカを生んだのよ」「そうなのよ、私に似なくて本当によかったわ」と、子どもへのほめ言葉は受け入れ、すかさず親が自分を下げれば嫌みにならずに済みます(笑いにしないと嫌みになる可能性があるので注意)。
対応策その2は「身内を上げること」です。「◯◯ちゃんは頭がいいね」とほめられたら、「そうなのよ、旦那に似てくれて助かったわ」「そうなの。きっとおじいちゃんの隔世遺伝だわ」と、パートナーや身内をほめるのもいい方法です。身内を下げるのはいけませんが、上げるのであれば何の問題もありません(こちらも、笑いにしないと身内自慢になる可能性があるので注意)。
ちなみに「ほめる文化」が浸透しているアメリカでは、子どものことをほめられたら、素直に「Thank you!」と相手に感謝します。人からほめてもらうことで子どもに自信がつきますし、自分の子育てをほめられていることでもあるので、ごく自然に「ほめてくれてありがとう!/Thank you!」という言葉が出てくるのです。
子ども自身も「自己否定」が口癖になると……
子どもは親や周囲の大人の言動からコミュニケーション方法を学びます。もちろん、「自分を下げる」という日本的なコミュニケーションスタイルも自然に継承していきます。個人差がありますが、小学校高学年からティーンエイジャーくらいになると、子どもも自分を「下げる」表現を使うようになります。
友だちから「すごいじゃん!」と言われると、心の中ではそう思っていなくても「そんなことないよ」「全然だめだよ」「私なんて」と謙遜するようになります。
最初は謙遜のつもりでも、自分を否定する言葉を口にすることが習慣化すると、本当に自己肯定感が下がってしまう危険性があります。