本業の楽天市場を充実させてほしい
そして結局、識者の意見を受け入れる形で楽天は4月30日に検査キットの販売を停止し、三木谷会長も同日付けで製造元の社外取締役を辞任した。
「楽天モバイルが第4のキャリアとして参入したのも、言わば彼の“思い付き”からだし、当初2GBと発表されていたKDDI回線でのデータ容量を、サービス開始日の当日に急遽5GBまで引き上げたのもそう。冷静に考えれば楽天モバイルの経営をかなり圧迫してしまうのに、『2GBでは少なすぎる』との世間の落胆の声をかき消すために三木谷氏が押し切ったと言われています」
そのような体制では、気骨のある有能な人間ほど三木谷氏から離れていく。楽天モバイルに限っても、今年に入ってから副社長やマーケティング部門のキーマンだった人物が社を去っている。
「マスクはもちろん、巣ごもり需要でホットケーキミックスや小麦粉が町中から消えてメルカリで転売されているらしいので、そういった生活に根差したものを本業の楽天市場で入手しやすくするとか、もっと自分たちの既存サービスを生かせる方面で力を発揮してほしいのですが」
では楽天モバイルは、本業のひとつとして機能することになるのか? ユーザー獲得のターニングポイントとしたい5Gサービスの開始は、もう目前まで迫っている。