コンテナ船各社も20年度の見通しは厳しく先行き不透明だ
グローバルなモノの移動を担う19年度は好業績を残したコンテナ船各社も20年度の見通しは厳しく先行き不透明だとしているという。海運への影響も予断を許さない。
売り上げの一部をインバウンド、特に中国人観光客の購買力に頼ってきた大型百貨店なども苦境に立たされている。中国人らの入国制限が始まった20年2月の時点で売り上げは右肩下がりとなり、20年2月の売上高速報が前年同月から激減する店が相次いだ。
さらに20年3月中旬からは営業時間の短縮や週末の休業を行ってきた店舗も多いが、緊急事態宣言により、休業がさらに拡大。ルミネは宣言に先立つ20年4月6日、食料品などの生活インフラフロア以外の休業と、ルミネ新宿など都内5店舗の全館休業を発表。伊勢丹、大丸なども続いて休業を発表した。
店が閉まれば百貨店やショッピングモールに店舗を展開するアパレル業界も苦境に立たされる。特にネット通販事業が弱い企業への影響は大きいが、出勤にしろ旅行にしろ、外出そのものが減れば服の需要も減る。
すでに「MAJESTIC LEGON」「le.coeur blanc」などのブランドを展開し、全国の商業施設やショッピングモールなどに出店してきたシティーヒル(大阪市中央区)が20年3月16日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請している。当初より減収が続いていたが、新型コロナの影響による来店客の減少がとどめとなった。
現在何とか持ちこたえているアパレル企業も、百貨店やショッピングモールの休業が追い打ちとなることは間違いない。ネット店舗の拡充や試着・返品サービスの向上など、この危機をデジタルトランスフォーメーション化の契機とすることも生き残りには重要だ。
中国依存度の高い自動車業界も低迷しつつある。日産、トヨタ、ホンダの3社は最大で売り上げの3割程度を中国市場での販売に頼っており、20年2月の中国での販売は前年同月比で7~8割減少したという。特に日産は20年4月7日、海外工場の従業員1万人を一時解雇すると発表した。
自動車業界が低迷すれば、部品を供給している中小企業はもちろん、鉄鋼、プラスチック、制御用コンピューターに至るまで幅広い業界にダメージが及ぶ。バブル後の日本の主要産業として経済を牽引してきた自動車業界が転ぶことになれば、日本経済全体への影響は計り知れない。