面白い地域通貨があるからそこに移り住む

【柳澤】実際、うちの地域でもやりたいっていう相談がきたりするんですか?

影山知明『ゆっくり、いそげ~カフェからはじめる人を手段化しない経済~』(大和書房)

【影山】最近、結構来ますね。神奈川だと大磯とかね。面白いところでは、フィリピンの大学教授からも問い合わせがきました。

【柳澤】そういうときはどんなアドバイスするんですか。

【影山】それは僕らがどういうふうに使っているかとか、実際にやっている人はどんな顔つきでそのことを話しているかを見てもらうのが一番いいと思っています。地域通貨というのは地域ごとに特徴のある通貨なので、それぞれ違ってあたりまえなんです。

【柳澤】ぶんじがクルミドコーヒーのお客さんや取引先から広まったように、最初にコアなコミュニティがあったほうがいいと思いますか。

【影山】そういうところはあるかもしれません。

【柳澤】あとは時間をかけたほうがいいのか、一気に広まることもあるのか。

【影山】それは個人間をメインに捉えるか、お店で使うことをメインに考えるかで違ってくるでしょうね。

【柳澤】確かにそこはだいぶん違いますね。

【影山】そういう意味でぶんじはハイブリッドなんですが、先行したのは個人間の使用ですね。いま、ようやくお店で使うことが定着しつつあります。

【柳澤】どっちがスタートかで微妙に性質も変わるものなのかな。

【影山】通貨単位がいくらぐらいが適正か、といったことも参加者の顔触れによって違ってきますね。

【柳澤】100ぶんじか、500ぶんじか、という話ですね。こうやってみると通貨ってほんとうにさまざまな可能性がありますね。僕は今後、面白い地域通貨があるからそこに移り住もうという人も出てくるんじゃないかと思っています。

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