いい使われ方をした通貨がわかるようになる

【影山】あとこれを使って、賭けもやったんですよ。去年僕が去年立川のハーフマラソンに出るにあたって、2時間を切れるかっていう賭けをしたんです。賭け金はぶんじで。僕はふだん全然運動していないので、圧倒的に「2時間切れない」ほうに賭ける人が多かった。こんちくしょう、絶対2時間切ってやると思って2週間ぐらいは本気でトレーニングしました。結果、2時間7分だったんですけど。

【柳澤】(笑)

【影山】それで「2時間切れる」に賭けてくれた方のぶんじが「切れない」に賭けた方に渡されました。

【柳澤】そのときはどんなメッセージが書かれたんですか?

【影山】賭けに参加した方は僕へのメッセージを書いてくれました。

【柳澤】そうか、頑張ってくれと。

【影山】頑張って、2時間切れとか、こけろとか書いてありました(笑)。僕がそこに、今度こそ2時間切るから待ってろ!みたいなことを書く。

【柳澤】そして「これは2時間切れなかったときのお金」という記録が残るわけですね。

【影山】そうそう、それが2019年だった、ということもわかるんです。

【柳澤】よくお金には色がないといわれますけど、すごくいい使われ方といい流れしかない通貨があったりとか、賭けにばかり使われている通貨とかがわかるんですね(笑)そういうのを見ながら、このぶんじをどうやって使うかを考えるようになってくるんですよ。

地域資本主義サロン)『鎌倉資本主義』の著者で、地域固有の魅力を資本と捉えた「地域資本主義」という考え方を提唱する面白法人カヤック代表取締役社長の柳澤大輔がホストを務めるオンラインサロン。この日も全国からまちづくりに関心のあるメンバーが集まった。
撮影=プレジデント社書籍編集部
地域資本主義サロン)『鎌倉資本主義』の著者で、地域固有の魅力を資本と捉えた「地域資本主義」という考え方を提唱する面白法人カヤック代表取締役社長の柳澤大輔がホストを務めるオンラインサロン。この日も全国からまちづくりに関心のあるメンバーが集まった。

「コンプリートぶんじ」がラッキーアイテムになっている

【影山】使い方の話でいうと、この裏にずっとメッセージを書いてくとどこかでスペースがなくなって書けなくなっちゃうんです。そういう状態を「コンプリートぶんじ」って呼んでいて、それを事務局に持ってきてくれれば、新しいものと交換できることになっているんです。

【柳澤】そうなんですね。

【影山】でも、実際にはほとんど交換されることがない。みなさんコンプリートされた状態のものを持っておきたいと思うらしいんです。持っていると願いごとがかなう……みたいな都市伝説がひろまったりとか。

【柳澤】お守りみたいに。いろんな人の手に渡ったすてきな通貨っていうことになるんですね。そういうのって、やる前はわからなかったけど、やり始めたらどんどん進化してきたという感じなんですか?

【影山】まさにそうですね。仕掛け人が一人二人じゃなかったし、都度かかわってくる人がいろんなアイデアを持ち込んでくれたりして、最初は考えてもいなかった使い方が出てきました。