リーダーは、もっと部下に仕事を任せた方がいい

今月の第1位は『できるリーダーは、「これ」しかやらない』でした。2017年に産業能率大学が実施した「上場企業の課長に関する実態調査」によると、58.9%が「3年前より業務量が増えた」と回答しています。働き方改革の影響で業務時間が短くなっている中、プレーヤーとしての業務に追われ、マネジメントに十分な時間を取れていないリーダーが多いようです。

伊庭正康『できるリーダーは、「これ」しかやらない』(PHP研究所)

本書は多忙を極めるリーダーに対し、「もっと部下に仕事を任せよ」とアドバイスします。とはいっても、ただ仕事を任せるだけでは「放任」になってしまいますし、細かく指示しすぎても部下のやる気を損なってしまう。大事なのは、「部下やメンバーが、挑戦を楽しんでおり、仕事を通じて成長を感じている状態」を実現させることです。

本書では、リーダーとしての振る舞い方や部下のやる気を引き出す方法が、実例を交えながらわかりやすく紹介されています。リーダーとして悩みを持っている方はもちろんのこと、自分のマネジメントに自信がある方にも、ぜひ読んでもらえればと思います。きっと新たな発見があるはずです。

「思考の罠」から脱して、人生の失敗を減らす

第2位は『Think Smart』。日本でもベストセラーとなった『Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法』の著者ロルフ・ドベリ氏の新刊です。

ロルフ・ドベリ『Think Smart』(サンマーク出版)

私たちは、さまざまな「思考の罠」にとらわれています。大事なことを後回しにしてしまったり、誤った思い込みをしてしまったりするのは、その最たる例でしょう。これらの原因は、人間の進化の過程で構築されてきた思考・行動パターンにあります。思考の誤りを学び、大事な場面で「すべきではないこと」を排除するだけで、人生の失敗の数は確実に減らせます。

本書が紹介するのは、「思考の罠」から解放されるための思考法です。成功を収め、幸福になるための方法は、なかなか見つからないかもしれません。ですが失敗を避けるための方法は、本書を読めばわかります。ここに書かれている52の思考法を実践することで、人生の質は間違いなく向上するでしょう。思考のメカニズムを学び、よりスマートに人生を楽しんでみませんか。