職能×業界で年収は決まる
道筋②「職種のスペシャリストになるキャリア」
2つ目は、職種でスペシャリストを目指すというキャリアです。業界にはこだわらず、自分の職種に軸を置いて、どんな会社でも活躍できる「横断的なスキル」を高めていくイメージです。
僕はこのキャリアルートを選んでいます。営業としてのスキルを高め、年収の高い業界に役職をつけて転職することで、年収を上げてきました。自分が実践してきたこともあって、個人的にはこのルートが最もキャリアアップしやすいと思っています。
職種のスペシャリストにおける具体的な例の一つに、上場請負人という経営管理のプロフェッショナルが挙げられます。会計士がCFO(最高財務責任者)として上場を複数回経験しているパターンもありますが、CFOなどの役員でなくても、証券会社や監査法人に対する対応を「現場」で経験した人は、これから上場を考える企業にとって欠かせない人材として重宝されます。まさに職種における汎用スキルです。
今の職種に求められる「コアスキル」を高めて業界を問わず、横断的に活躍できるようにすることで、役職や年収を上げていくプランです。
業界の知識は他業種でも活かせる
道筋③「業界のスペシャリストになるキャリア」
3つ目は、業界のスペシャリストを目指すことでキャリアアップするパターンです。一貫して同じ業界内を動くことで、その業界の知識や知見を誰よりも有する「オタク」のような存在を目指すキャリアとも言えます。
「○○業界の○○領域のことなら誰々さんに聞いたほうがいい」というポジションを取ることで、その業界の講演会に呼ばれたり、雑誌の取材を受けたりして、自分のポジションを確固たるものにしていくイメージです。
メディアへの出演がきっかけでほかの会社から引き抜かれたり、同業他社からヘッドハンティングされるなど、「業界のプロ」として名前を上げていくことで、キャリアアップに繋がっていきます。
この「業界の知識」は、同業種に限らず、他業種でも活かすことができます。
僕の知り合いに、コンサルティング会社のプリンシパルとして、電力業界の専門家がいるのですが、彼はいつでも電力会社の役員にアポを取ることができ、国の委員会メンバーにも抜擢されています。電力業界に詳しいという強みを生かし、電力関係を扱うコンサルティング会社を渡り歩いて、今も年収を上げ続けているのです。