“Wフェラーリ”を筆頭とする中軽量選手のすばしこさで勝つ

これまでの試合を見ていると、海外出身選手を多く抱えるとはいえ、日本代表とほかのチームとの間には、依然として体格差があるように感じる。南アフリカとの体格差を各選手の降順の分布で比較すると、日本の平均身長が183cmなのに対して、南アフリカは186cmと差は1.6%。一方、平均体重は日本100kgに対して南アフリカ103kgで差は3.0%超であり、総じていえば体格差は2~3%程度だと考えられる。

後述するように、こうした平均値での体格差は対スコットランドとほぼ同等である。ただし南アフリカの場合、大きい選手はグッと大きく、中位以下の選手は日本とあまり変わらないという体格分布のメリハリが違う。

体重では中位以下の選手は南アフリカのほうが軽い場合が多い。つまり、重量フォワードのぶつかりあいでは南アフリカが優勢である一方で、中軽量選手の当たり負けしないすばしこさでは互角以上ということなのである。

“ダブルフェラーリ”の異名を持つウイング選手の松島幸太朗や福岡堅樹の足の速さや、外国メディアから「サーカスのようだ」と形容される華麗なオフロードパス(タックルを受け倒れながらも片手でボールパス)はまさにそのすばしこさの面目躍如だろう。