それに、日本の国境管理だってむちゃくちゃ厳しいよ。たまたま日本には海があるから、国境に壁を造っていないだけの話。隣の一番近い韓国との間でも、海の深さを壁の高さと同じだと考えれば、日本はとんでもない高さの巨大な壁を持っているのと同じ状態なんだ。そんな厳格な国境管理によって守られて暮らしている日本人が、「トランプがアメリカとメキシコとの間に万里の長城みたいな壁を造ろうとしている」と聞くと、ヒステリックになって反対をする。おかしくないか?
現状のアメリカ・メキシコ国境はめちゃくちゃずさん
アメリカのポリティカル・コレクトネスの中に「移民に対して寛容でなければいけない」「メキシコとの国境を厳格化しない」という一種の不文律があって、今までのアメリカの政治家は誰もそれに反することを言わなかった。
だけど、本音で言えば、
「国境管理を厳格化するなんて当たり前じゃないの?」
「ちゃんと入国の手続きを経て、犯罪歴のない、悪さをしない人たちだけを自国の中に入れるということなんて当たり前じゃないの?」
「麻薬を持ち込ませない、武器を持ち込ませないためには、国境を厳格に管理するのは当たり前じゃないの?」
というのが、多くのアメリカ国民の声じゃないか。
トランプは、そこをガツンと言って、多くの有権者の支持を得た。
トランプの発言に対してヒステリックになっている日本の人たちにも、アメリカとメキシコとの国境を一度インターネットで見てほしいよ。「これ、本当に国境なの?」と思ってしまうくらい、むちゃくちゃ管理がずさんなんだ。乗り越えられる高さぐらいのフェンスや、ボロボロのトタン屋根の小屋で国境管理をしていて、木の杭にすき間が空きすぎてその間を簡単に人間が通れちゃうところもある。これが、今のアメリカとメキシコとの国境の現実だ。
ある番組で、アメリカ育ちの女性コメンテーターが、「アメリカとメキシコとの国境は今でもきちんと管理されています。だから、わざわざ壁なんて造る必要はないです」と言った。
そうしたら同席していた木村太郎さんが、「そんなことはないよ、ずさんだよ」と言った。木村太郎さんは、かつてアメリカとメキシコとの国境の現場を見に行ったことがあったらしい。だから、乗り越えられないようなきちんとした高さのフェンスがあるのは、テレビ撮影用だと知っていたんだ。でも、そこから2キロぐらい離れると、もうフェンスがなくなっている。
木村さんが「あなたはそれを見に行ったことあるの?」と聞いたら、女性コメンテーターは「現場に見に行ったことありません」と答えていたよ。見に行ったこともないのに、「アメリカとメキシコの間の国境管理は十分だから、さらに壁を造る必要はない」だなんて、よく言えたよね。