食事は主に外食とコンビニ、飲み会は月5万円

「いざ貯金」の前に、「まず家計」です。

私は相沢さんと一緒に毎月の支出を、費目別に洗い出していきました。相沢さんは家計簿をつけていないものの、レシートは日付順に並べて、月ごとにファイルにまとめていましたので、レシートを1枚ずつチェックしながら、家計の内訳表を作っていきました。

この時の収支は約1.6万円の赤字で、食費(外食とコンビニ)4.2万円、交際費(飲み会)5万円、教育費(習い事・ジム)2.5万円、被服費2.4万円、理美容費1.2万円など、独身の女性にかかりがちな費目で支出が多くなっています。たばこ代1.3万円、保険料2.9万円も比較的多いと感じます。聞けば、他の月も支出の傾向はあまり大きく変わらないとのことでした。

費目別に見て、ある程度状況がわかりました。次は必要な支出なのか、あまり必要ではなかった支出なのかの判別が必要です。レシートをもとに「いま思えばあまり必要ではなかった、つい使ってしまった支出」と思えるレシートを取り出してもらいました。

すると、夜、仕事帰りに立ち寄るコンビニでの買い物、行きたくないのに惰性でついて行った飲み会、入会キャンペーンにつられて入って月1、2回しか行っていないジム代、着ていない服などのレシートが、積み上がっていきました。

これらの総額は2.6万円になり、「つい使ってしまう」支出を見直せば、毎月1万円以上の貯金ができることがわかりました。

さらに、外貨建ての貯蓄性の保険を解約することにしたほか、携帯電話はMVNOの格安スマホへ切り替え、固定費を下げるようにしました。これで1.6万円削減です。また美容院はネット予約割引を使い、タバコの本数も減らして7000円減。最終的に3万円以上の貯金が可能になってきました。

赤字が解消したら即投資「儲け」で頭いっぱい

毎月1.6万円の赤字家計でしたが、3万円以上も貯金できることになったのです。相沢さんはこんな感想を漏らしました。

「これまでは支出を抑えるって、とにかくケチケチ節約するしかないと思っていました。だから続かなかったんです。でも、『つい使ってしまう』クセを見直したり、これで当然だと思っていた契約を見直したりすることで、赤字から黒字に変われるなんて、目からウロコです! このお金でさっそく投資を始めて、大きく儲けようと思います。何をいくらぐらい買えばいいですか? 仮想通貨はどうでしょうか」

ちょっと待ってください。投資について何も勉強しないまま始めて、「これさえ買えば儲かる」という情報だけを鵜呑みにし、なけなしのお金をつき込んでしまう。これこそ「投資の失敗あるある」の典型的な例です。