「仲間内」だけのつもりがTwitterに転載
ストーリーズには、「今このメンツで遊んでる」と友だちと一緒の写真を投稿したり、「これからこの授業に出るよ」などと教室内などを映した動画を投稿したりすることもある。写真や動画に文字を書きこむことや、そこで簡単なアンケートを採ることもある。
このような動画を見て、「私も◯◯ちゃんと友だち。今度一緒に遊ぼう」「同じ授業に出てるよ。合流しよう」などとInstagramのメッセージ機能で連絡を取り、コミュニケーションを取ることも多いそうだ。メッセージが来ることを期待して、コミュニケーション目的で写真や動画を投稿することもあるという。
炎上した動画の多くは、動画内に仲間の笑い声が入っている。つまり仲間にウケようとして、わざとやっていることになる。仲間内だけに見せてウケさせるつもりで投稿していた動画が、転載されて他人に見つかり、炎上につながったというわけだ。
「24時間で消える」という点が、ストーリーズへの投稿の心理的な敷居を下げている。だが、実際はiOS11以降に搭載されているiPhoneの「画面収録」機能などを使うと録画できてしまう。そのように保存された動画がTwitterなどに転載され、炎上につながっているのだ。
Instagramは通常、公開アカウントにしていることが多い。その場合は友人以外からもフォローされる。動画を見た友人が軽い気持ちでTwitterに転載したことが掘り返され、炎上につながる例は少なくない。その他、知り合いではないフォロワーに転載される例もあるようだ。保存・転載が自由にできる以上、アカウントに鍵をかけていても、Twitterに転載されて炎上する可能性もあるというわけだ。
大手チェーン、著名大学の学生が攻撃されやすい
理由は、それだけではない。問題となった投稿の多くは、数週間や数カ月前の投稿が多い。バイトテロがブーム化したため、過去のTwitterなどに転載された動画が掘り返されて、さらされて炎上しているのだ。そのような炎上はYouTubeにまとめられ、さらに拡散されていく。
人は匿名性の影で攻撃性が強くなることが知られている。同時に、相手に非があり攻撃に大義名分がある場合、容赦なく攻撃しがちになる。不適切動画を炎上させることで、溜飲を下げているユーザーが少なからず存在するのだ。
また、大手チェーン名がついていると、注目を集めるため炎上しやすくなる。多くのユーザーが大手チェーンを使っており、不衛生な行為を自分ごととしてとらえやすくなるからだ。なお、有名大学の学生が引き起こした場合も、注目を集めると同時に恵まれている対象として攻撃されやすくなるので、注意が必要だ。