“ダメな借金”の最たるものがリボ払い

奨学金には返済不要のものもあれば、利子がつくものもある。経済評論家の山崎元氏曰く「有利子であっても金利が低く、確実に返せる見込みがあれば、“してもいい借金”になりうる」というのだ。

写真=iStock.com/Photobuay

「会社員の時給がおよそ2500円だとすると、学生が時給1000円のアルバイトで学費をまかなおうとするよりも、大学4年間は奨学金でつなぎ、就職してから返済するほうが効率がいいわけです」(山崎氏)

すべての借金がダメなわけではない。だが、「絶対にしてはいけない借金もある」と山崎氏は警告する。

「“ダメな借金”の最たるものがリボルビング払い(リボ払い)です。よくあるのが会費無料や商品券プレゼントといった特典につられてリボ払いを設定し、そのまま忘れているケース。この場合、いくら店頭で『一括払い』と伝えてもカードの設定で自動的にリボ払いになる」(山崎氏)

その結果、自覚しないまま、延々と高い利子を支払うというから恐ろしい。

「今や金融機関はかつてないほどの不遇の時代に直面しています。かつてのように預金を集め、企業に融資しているだけではビジネスが成り立たない。だからこそ、金持ちには手数料の高い運用商品を売りつけ、貧乏人からはカードローンやリボ払いの金利をむしりとる。そのカモにならないことが、この時代を生き抜く最初の一歩です」(山崎氏)

山崎 元(やまざき・はじめ)
経済評論家
1981年、東京大学経済学部卒。楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。共著に『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』など。
 

熊谷亮丸(くまがい・みつまる)
大和総研常務執行役員チーフエコノミスト
1989年、東京大学法学部卒。日本興業銀行調査部などを経て2007年大和総研に入社。共著に『この1冊でわかる 世界経済の新常識2018』など。
 
(撮影=岡田晃奈 写真=iStock.com)
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