「自分の家を持ち、その畳の上で死ぬ」──かつて日本人の多くはそんな往生をしていたかもしれない。しかし時代が変われば「終の棲家」も変わる。どこで暮らせば、安らぎを得ることができるのか。老後にふさわしい住居を検証した。

「駅から徒歩7分以内」の需要が上昇中

都心の駅近マンションと郊外の一戸建て。老後に安心して暮らすには、前者に住むのが手堅い選択だとされてきた。その理由は「トク(資産価値が落ちにくい)」であり、「ラク(利便性に優れている)」であるからだ。

不動産コンサルタント・長嶋修氏は、「リタイアしたら都心マンションから郊外や田舎の一戸建てに引っ越し、第二の人生を謳歌する例はごく少数です」と語る。

「一方、定年退職した高齢者世代が、郊外の一戸建てから都心の駅近マンションに移住するケースは多い。それだけでなく、駅から離れた一戸建てを売り、同じ駅から距離の近いマンションに住み替えすることも珍しくありません。駅近マンションであれば車の運転は不要。足腰が弱くなっても移動しやすく、介護される場合でも介護者が足を運びやすい。また子育てが終わって子どもが独立すると、広すぎる一軒家が必要なくなることも理由の1つです」(長嶋氏)