「お手本となる女性リーダーが身近にいない」

【2:女性リーダー特有の悩みの解消】

前出・パソナ パソナキャリアカンパニーでは、主任クラス以上(係長、課長、部長含む)の役職に就いている20歳から49歳の女性1000名を対象に、仕事やキャリアに対する意識、女性が活躍しやすい就業環境に関する調査を実施しました。

この調査では、リーダーとして働く女性の悩みを尋ねています。最も多かったのは、「お手本となる女性リーダーが身近にいない」(38.2%)。次点は、「リーダーとしての役割を果たせている自信がない」(27.4%)で、さらに「後輩の女性リーダー候補たちのお手本になれている自信がない」(21.2%)と続きます。

女性リーダーの先輩は「男勝りで弁が立つ人」だらけ

筆者が行ったインタビューでも以下のような回答を得ています。

「女性リーダーの先輩には、個性が強くて逞しい人、男勝りの人、弁が立つ人が多い。少し頑張れば近づける身近な存在で、かつ包容力のあるお姉さん的な方がいると昇進へのモチベーションが上がる」(40代、事務職)
「長く働き続けてきた女性の先輩が少ないせいか、職場の生き字引的な女性(昔からの経緯がわかる人や、専門分野を跨いで多方面に詳しい人)がいない。そのため、トラブルが起きた時などに頼れる先輩女性がいない」(40代、事務職)
「最近は年長の男性を指導する場合もあり、業務とはいえ気疲れしてしまう」(40代、SE職)

ロールモデルや相談相手の不足、多様な部下のマネジメントを悩みとする女性リーダーは少なくありません。しかし、インタビューに協力いただいた女性たちからは、そうした悩みはあるものの、勤め先でのリーダー研修や男女の考え方の差を学ぶ研修が役に立っているという意見も聞かれました。

企業が各種の研修機会を提供することは、女性リーダーが抱える悩みを解消する施策の1つと言えます。