東京暮らしを続けながら、田舎のよさも満喫している人たちがいる。快適さの一方、支払わなければいけないコストもあるだろう。メリットとデメリットの両面を探ってみた。
温暖な八郷地区ではほとんど一年中作物が栽培できます
野島恵子(のじま・けいこ)

東京ではメーク、茨城では農業

「昔の私を知っている人は、こんな生活を想像できないと思います」

野島恵子●野島さんは東京生まれ、東京育ち。数年前まで農業とは縁がなかったが、現在は茨城県石岡市八郷地区で野菜や米を育てている。農地に隣接した小屋はロシアの週末別荘「ダーチャ」風だ。

野島恵子さんはこう言って笑う。話を聞いたのは茨城県石岡市八郷地区(旧八郷町)。主要道路から一本折れた小道を上ったところに小屋があり、隣宅とは数百メートル離れている。ここは東京都練馬区に自宅がある野島さんの、もう1つの本拠地だ。

都会で暮らす人が地方にも拠点を持つ「二拠点生活」が増えている。住居を格安で貸し出すなど、受け入れに積極的な自治体も多い。「週末田舎暮らし」との違いは、両方が仕事や活動の拠点であること。「移住」よりライト感覚だ。野島さんも東京ではフリーのメークアップアーティストとして活動し、茨城では小規模な農業を営む。収穫物は通販でも販売する。