また、最近の集合住宅ではダストボックスが採用されていることも多いが、その内側も場所によって千差万別だ。
「不燃ごみの日に、やたらとゴキブリの殺虫剤が捨てられているゴミ集積所があるんです。その地域は古い民家が多くて川沿いなので、ゴキブリが住み着いているんでしょうね。マンションなどのダストボックスでもゴキブリがたくさんいるものがあって、清掃員の間では“ゴキブリボックス”なんて呼んでいます」
確かに害虫や害獣の多寡は、その地域に住む者にとっても気になるところ。ゴキブリ以外にも、ネズミやカラスの存在を思い浮かぶ。
「カラスの場合、ゴミ集積所の汚さよりは近くに大きな公園があるかどうかで多さが変わってきます。公園に住み着いて食料をあさっているので、住みやすそうな地域でも近くに公園があればカラスは結構見ます。ネズミは圧倒的に繁華街が多くて、ふてぶてしい。俺がゴミ収集に行ったら、逃げずに飛びかかられたこともあります」
「結局、ゴキブリが住み着いているダストボックスがある場所は、ちゃんと管理していないんだと思います。だから、ダストボックスがきれいかどうかで、その集合住宅の内実がある程度わかってくるんですよ。汚かったら、管理人がろくすっぽ来てなくて、住民のやりたい放題になっている。そういう集合住宅に住むのはやめたほうが良いかもしれないですね」
健康グッズの粗大ゴミが出る“金持ち”地域
滝沢さんはさらに「お金持ちの多く住む地域と貧乏な人が多い地域では、出されるゴミの内容がまったく違う」と指摘する。
「お金持ちの住む地域で出るゴミは、普段見ないようなものが多いんですよね。例えば、高級なミネラルウォーターだったり、あからさまに高そうなワインのビンだったり、コンビニに売ってないものが多かったりします。ほかにも、ロデオマシンや腹筋を鍛えるマシンだとか、いわゆる健康グッズの粗大ごみもよく見られます。多分、お金持ちは健康志向になっているんだろうな、と。お金を持っている分、自分に対して目を向ける余裕があるんでしょうね」